フランスのマクロン大統領は、メルケル独首相が退任した後の自由世界のリーダーを自任していて、アメリカが世界への関与を弱めるなかでEUの軍事力増強を強く主張してきた指導者だ。そのマクロンが安全保障協力からはじき出されて、おとなしく黙っているわけがない。
しかも、マクロンは再選を目指す2022年4月の大統領選で極右扇動政治家の挑戦を受けることになる。弱々しいイメージを持たれるわけにはいかないのだ。
バイデンは、世界に自由民主主義を復活させることを自らの政権の大きな使命だと述べてきた。しかし、今回の外交上の失態により、同志であるはずの自由民主主義陣営のリーダーの顔に泥を塗り、自らの目標を達成する足を引っ張ってしまった。
いま中国は、いわば自国の裏庭に原子力潜水艦が持ち込まれることに脅威を感じつつも、自由民主主義陣営の思わぬ「敵失」に高笑いしているに違いない。
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米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由
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