短期的にはウクライナ支援が最優先

英シンクタンク「欧州改革センター」のルイジ・スカッツィエーリ研究員は「ウラジーミル・プーチン露大統領が戦時体制を整えているのに対して、欧州の防衛産業は装備供給面で速度・量とも不十分。この遅れを取り戻すため、EUは支出拡大と制度改革を急いでいる」と解説する。

短期的にはウクライナ支援が最優先課題とされ、大規模な支出増が潜在的な侵略戦争を抑止するのに不可欠と位置付けられる。EUは財政規律を一時停止して国防費を増やすことで6500億ユーロの追加支出を見込む。残り1500億ユーロはEUの低利融資で賄う計画だ。

スカッツィエーリ氏は「8000億ユーロは象徴的な数字で、実際の支出拡大は限られる可能性が高い。最大の課題は各国の協調をどう促すか。EUは今後より強い協力インセンティブを設計しなければならない。欧州の安全保障の未来は加盟国の決断にかかっている」と指摘する。

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