新型肺炎で泣き面の中国を今度はバッタが襲う

2020年3月24日(火)20時00分
楊海英

モンゴル草原生まれの筆者は子供の頃から、「中華民国18年(1929年)のバッタ襲来」の話を長老たちに聞かされていた。蝗害の後、モンゴル高原と接する中国北部は大飢饉に襲われ、死者数は1000万人に上った、と推定されている。大飢饉であふれ出した中国人難民はそのままモンゴル草原に進入して定住し、先住民であるモンゴル人の人口を凌駕するようになった。「バッタの襲来が中国人難民を生み、モンゴルの亡国をもたらした」と、遊牧民は理解している。

蝗害を食い止める唯一の方法――それは、バッタを食べてしまうことかもしれない。農作物と牧草で丸々と太り、タンパク質の塊のようなバッタは栄養価が高い。まるで彼らに復讐するかのように、中国人は古くから好んで食べてきた。

しかし武漢発の新型肺炎が猛威を振るうようになってから、中国は野生動物の食用をやめるよう呼び掛けている。今回のサバクトビバッタは毒を持っているともいわれる。4000億匹の大量のバッタを食べ切れるのは14億人の中国人だけだが......。

<本誌2020年3月31日号掲載>

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