外国人観光客を図に乗らせている、過剰な「おもてなし」やめませんか

2019年12月20日(金)11時20分
外国人リレーコラム 周 来友(しゅう・らいゆう)

さらには、東京には消費税を免除される市中免税店がたくさんあり、「歓迎されている感」はより一層高まる。ユニクロでも免税、ダイソーでも免税。外国人に優し過ぎるよ! ここまで免税カウンターだらけの国は珍しいだろう。

私に言わせれば、日本のおもてなしは度が過ぎる。誰もそこまでのサービスは求めていないし、そんなのは本物のおもてなしじゃない。例えば日本の田舎町で道に迷ったとき、言葉も分からない地元の人が案内してくれたり、お茶を出してくれたりする。困った人に親切にすることこそが本物のおもてなしではないか。

観光客が増え過ぎて地元の人の生活に支障を来す「観光公害」が取り沙汰される今の日本。このまま「神様」扱いしていては、いつか逆に外国人全体への反発が強まりかねない。双方が気持ちよく過ごすためには、ある程度の規制を設けてもいいのでは?

「ぼったくりを推奨するのか」と怒られそうだが、個人的には、飲食店で日本人向けと外国人向けの料金が違っても構わないとさえ思う。その分、「本物のおもてなし」で外国人を感動させればいいのだ。

周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「ゆあチャンネル」)としても活動。

<本誌2019年12月17日号掲載>

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