欧州各国で感染が急増するなか、「集団免疫戦略」のスウェーデンは収束へ

2020年7月31日(金)13時30分
スー・キム

一方で、「(集団免疫戦略の)失敗と言えば、当然ながら死亡者数だ。これは高齢者ケア施設と大きく関連している。現状、施設の状況は大きく改善され、高齢者施設での死亡者は大きく減少した」と、戦略の失敗点についても語った。

またロックダウンが実施されていれば感染拡大は抑えられたかどうか質問されたテグネルは、「何らかの違いはあったかも知れないが、分からない。ロックダウンのマイナス効果も検証しなければならない。そうした検証はこれまであまり行われていない」と答えている。

統計サイト「Statista」が作成した以下のグラフは、アメリカとEUの新規感染者数の推移を示している。

米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、スウェーデンでは7月30日時点で、累計7万9800人の感染者が確認されている。6月の時点では、同国は人口あたりの感染者数が世界で2番目に多かった。

世界の多くの国がロックダウンを実施するなか、スウェーデンは新型コロナウイルスの抗体を持つ人の割合が増えることで感染第2波を防げるとする「集団免疫戦略」を取ってきた。

これに対して、学校に通う子供たちに感染のリスクがあると、国内の教師や保護者、医療専門家らが反対を表明していた。

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