米民主主義の危機 大統領選で敗北してもトランプは辞めない

2020年7月21日(火)15時45分
イワン・パーマー

スタンドアップ・アメリカは6月に、同じく草の根運動を展開する組織「インディビジブル」と共同で「プロテクト・ザ・リザルツ(結果を守れ)」運動を立ち上げた。トランプが選挙結果の受け入れを拒んだ場合、あるいは結果が確定していないのに勝利を宣言しようとした場合に行動を起こすために、「何百万人ものアメリカ人」のネットワークを築くことが目的だ。

「嫌な予感がしている。トランプは過去3年半、この国の民主主義を弱体化させ、制度化された規範を無視してきた」と、インディビジブルのエズラ・レビン共同事務局長は言う。「彼は11月3日の投票後にも、それと同じことをしようとしている」

トランプが選挙結果の受け入れについて明言しなかったことについては、米議員の間からの批判の声が上がっている。大統領選に向けて民主党から立候補を表明し、3月に選挙戦を撤退したエイミー・クロブチャー上院議員は、「(投票結果が尊重されるから)私たちは投票するのであり......議会と憲法があるのだ」とツイッターに投稿。「私たちは独裁体制下に暮らしている訳ではない」と主張した。

「公正な選挙ならトランプが勝つ」

ニュージャージー州選出のビル・パスクレル下院議員(民主党)は、こう述べた。「トランプだけではない。共和党の上院議員と下院議員あわせて248人のうち圧倒的多数が(弾劾裁判で)トランプを罷免せずに彼の権威主義を支持する票を投じた。共和党の指導部は、民主主義が自分たちの支配への脅威だと考えているからだ」

トランプ陣営の広報担当者であるティム・マートーは本誌への回答の中で、次のように述べた。「本人の希望に関係なく全ての登録有権者に投票用紙を郵送するなど、選挙を完全なものではなくそうとするのが、今や民主党の目標となっている。彼らは偽造投票への道を開こうとしている。郵便投票では、ニューヨークやニュージャージーなどで問題が起きている。死んだネコに投票用紙が送られた例もある」

マートーはさらにこう続けた。「こうした背景を考えると、ペテンの王様である民主党が11月に向けて何をしようとするか、分かったものではない。確かなのは、自由で公正な選挙では、トランプ大統領が勝利するということだ」

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