ドイツ人 マスク嫌いすぎで小売業がピンチ 

2020年6月9日(火)18時30分
モーゲンスタン陽子

<ドイツでは、経済活動を再開しつつ人々を感染から守る目的で導入されたマスクの着用義務が、逆効果になってしまっている......>

ドイツでも4月末から公共の場でのマスク着用が義務付けられているが、このマスクが原因で、小売業がかつてないほどの壊滅的なダメージを受けているという。経済活動を再開しつつ人々を感染から守る目的で導入された着用義務が、逆効果になってしまっているようだ。

マスクが嫌いすぎて、楽しいはずのショッピングがネガティブな体験になってしまったのが原因といわれる。食料品の買い物は仕方がないが、それ以外は相変わらずネットで購入する人が多く、市街中心地の多くの店は空っぽのままだ。

病院にいるような気分で楽しさ半減

ドイツ貿易協会(HDE)の発表によると、非食品小売業者の3分の1で収入が前年比半分未満、さらに3分の1は売上が前年の51〜75%となっている。ケルンの貿易研究機関(IfH)の代表カイ・フーデッツはウェルトのインタビューで「マスクが心理的に影響し、ショッピングをネガティブな体験にしてしまっている」と述べている。マスクをしていると、楽しいはずのショッピングが病院にいるようで楽しくなくなってしまう。したがってマスク着用義務が続く限り、ドイツの小売業がさらなる大打撃を受ける可能性を指摘している。

小売店が再営業を許された5月の第2週末、主要都市の有名なショッピング街の通行人の頻度が前年比最大63%減少した。これから夏本番になり、気温が30度を超えるようになると、マスクをしての外出はますます敬遠されるようになるだろう。

ほとんどが義務を守ってはいるものの......

ドイツ通信社の依頼によりYouGovが5月28日に行った調査によるとドイツ人の81%が常に着用、13%が時々着用しており、ほとんどの人が着用義務を守っている。だが現在の形での義務継続を希望するのは49%にとどまり、19%が廃止を、14%が緩和を希望している。東西で見ると、東部では42%、西部では30%が緩和または廃止を希望している。

隣国オーストリアでは6月15日よりマスク着用義務が緩和され、薬局以外の小売店ではマスク着用義務がなくなることも、ドイツで不満の声が高まっている原因のようだ。