ボルソナロ(ブラジル大統領)の成績表:差別発言を連発する「問題児」、アマゾン森林火災で世界を敵に

2020年1月18日(土)14時15分
宇佐美里圭(本誌記者)

人権感覚は0点。ボルソナロの「通知表」 12月24日号「首脳の成績表」特集38ページより

8月末にはブラジル北東部の海岸線2000キロに大量の原油が流れ着いたが政府の対応は遅く、除去が始まったのは9月中旬。政府が対策チームを設立したのは10月中旬になってからで、その間、被害が拡大した。

もっとも、10月には財政赤字の主要因だった手厚い年金受給の年齢を引き上げる「年金改革法案」を成立させ、財政健全化に一歩近づいたと評する声もある。しかし、8月に発表した国営・国有17社の民営化は1つも実現されておらず、11月26日には1レアル=4.23ドル程度という過去最安値を付けた。支持率は政権発足当時の49%から31%にまで低下。こちらも底値の状況だ。

折しも11月にはルラ元大統領が釈放され、現政権に反旗を翻した。今後国内を遊説して歩くという。ボルソナロの任期はあと3年。果たして持つだろうか?

<本誌2019年12月24日号「首脳の成績表」特集より>

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2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

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