また少し遠ざかる世界──EU渡航にも事前承認が必要に

2019年3月11日(月)15時00分
イワン・パーマー

近い将来、ヨーロッパを旅行したいアメリカ人や日本人は、申請料を払って新しいタイプの「ビザ」を取得することになる。

欧州連合(EU)は昨年、アメリカや日本など現在ビザが免除されている国民が渡欧する際、2021年から欧州渡航情報認証制度(ETIAS、エティアス)への事前申請を義務付けると発表した。

ETIASの有効期限は3年。取得後は、出入国審査なしで行き来できる「シェンゲン協定」に加盟するフランス、イタリア、ドイツ、スペインなど欧州26カ国を無制限で旅行できる。アメリカ人や日本人はこれまで、90日以内の短期滞在ならビザを免除されてきた。

9.11後アメリカも導入

EUが新制度を導入する理由について、ETIASのホームページは「不法移民やテロを未然に防ぐ治安対策強化のため」と説明している。アメリカも2001年の9.11テロ後の2008年から同様の事前承認を義務付けている。

ETIASの申請に必要なのは、入国時点で残存期間が3カ月以上あるパスポート、クレジットカードまたはデビットカード、Eメールアドレス。申請料金は1回につき7ユーロで、18歳未満は無料だ。

ETIASのホームページにはこう書かれている。「現在、アメリカとEUはビザ免除で合意しているため、観光目的や親戚訪問で短期滞在するアメリカ人には、ビザなし渡航が認められているが、2021年以降にアメリカ人がシェンゲン協定加盟国に入国するにはETIASでの事前承認が必須となる」

(翻訳:河原里香)

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