北朝鮮がロシアへの国際列車ツアーを解禁した──平壌からモスクワへ

2018年7月5日(木)15時40分
中野鷹

「平壌から羅先まで約820キロメートルを、18時間ほどかけて移動するのですが、国内向けなので寝台車ではなく普通席のみです。しかも北朝鮮の外国人ツアーには、必ずガイドが同行しないといけないのため、そのガイドが乗車に難色を示しているようです。また食堂車も車内販売もないので、3食分の食事を持参しなければならず、その手配も面倒なようです」(北朝鮮旅行を手配する代理店)

現時点で、日本人の少人数グループでも確実に乗車できるのは、北朝鮮国境の豆満江駅からのロシアへの越境鉄道となる(豆満江駅で出国するのでガイドは乗車してこない)。

中国だけでなくロシアとの関係も強化

ロシアのプーチン大統領が北朝鮮の金正恩委員長の訪ロを要請し、今秋にもロシア訪問が実現する予定だ。北朝鮮は、今後の対米交渉を優位に進めるために、中国だけでなくロシアとの関係もさらに強化し、中ロを後ろ盾にして対米交渉を進めたい思惑が透けて見える。

ロシアはロシアで、対米戦略や国際社会での影響力を高めるためにも北朝鮮は大いに利用する価値があると見ているのだろう。こうした関係の変化を示す、北朝鮮〜ロシアの国際列車ツアーの解禁と言えそうだ。

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