「トランプお友達作戦」で安倍さん大丈夫?

2017年11月4日(土)17時00分
パックン(パトリック・ハーラン)

7月に「アメリカをトランプから救うのが仕事だと思っている人が政権内にいる」と、当時のアンソニー・スカラムッチ広報部長が述べた。これはどうやら真実だったらしいが、その直後にスカラムッチが解雇された。真実を言ったからかな......。

つまり、力いっぱいもてなした安倍首相の希望に応えて「何かをやる」とトランプが言っても、それはウソかもしれない。本気でやろうとしても、関連の法案を成立させられないかもしれない。そして議会抜きで動いても、職員の「無視」や「阻止」によって、実現できないかもしれない。「またゴルフをやろうね」ぐらいの約束は守られるはずだが、それ以上はあまり期待しないほうがいいだろう。

それでも、安倍さんのアプローチは理解できる。普段なら、「約束を守れない、嫌われ者のウソつき」とあまり仲良くする必要はない。でも、米大統領がそんな人だったら? ここは自国の評判が落ちるリスクをも背負い、仲良くして、交渉に挑むしかない。ただし、今回はその結果を信じ過ぎ、トランプに頼り過ぎるのは危険だと思う。お友達作戦はやらないとだめだが、だめもとでやらないともっとだめだ。

こう考えてみると、世界でも人気で約束を守る、普通の「できる大統領」が恋しいね。オバマはTPPの締結に尽力し、日米同盟の強化に努め、広島平和記念公園で演説を行った。せめてオバマにもピコ太郎を会わせてあげたかったな~。

※「トランプのアジア戦略」特集号はこちらからお買い求めいただけます。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ