最新記事
ドラッグ

マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」

Gone to Pot

2025年4月30日(水)17時10分
ヘスス・メサ
自由の女神があるニューヨーク州では嗜好用マリフアナが合法化されている

自由の女神があるニューヨーク州では嗜好用マリフアナが合法化されている ILLUSTRATION BY OLEG SIBIRIAKOV/GETTY IMAGES

<経済は成長し、司法の負担が減り、適切な規制を受けた安全な産業が生まれるはずだったが>

アメリカでマリフアナ合法化の動きが勢いを増し始めると、社会は歓迎ムードに包まれた。この施策は刑事司法制度の負担を減らし、経済成長を促し、公衆衛生上の利益につながる進歩的な一歩だと喧伝された。合法マリフアナは闇市場を排除し、税収をもたらし、適切な規制を受けた安全な産業を生むと約束された。

だが、そんなことは起こらなかった。いま全米には幻滅が広がっている。違法な販売店は儲け続け、大麻取引関連の犯罪は増えている。さらに批判派は、市民は合法市場にあふれる高濃度マリフアナのリスクを知らされていなかったと主張する。


専門家、政治家、そして以前はマリフアナ合法化を支持していた人々までが、合法化した州は間違っていたのではないかと疑問を抱き始めている。薬物政策が専門のスタンフォード大学のキース・ハンフリーズ教授は、合法化は楽観的すぎる前提の下に市民に売り込まれたと言う。

「健康に害を与えないだけでなく、体にいいという触れ込みだった。市民に約束されたのは、多額の税金収入、雇用創出、規制の行き届いた産業の創出だ。そのうち、どれ一つとして実現していない」

ニューヨーク州での合法化は、進歩的なキャシー・ホークル州知事も「災害」と呼ぶ事態に陥った。いまニューヨーク市だけで約8000の違法な販売店があり、合法的な店は140ほどしかない。

【動画】マリフアナが合法化されたニューヨークですら違法店が繁盛している理由

事件
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イエメン分離派が分裂、一部が解散発表 指導者側は否

ワールド

イランが国外と遮断状態に、最高指導者「トランプ代理

ビジネス

中国自動車販売、25年3.9%増 今年は横ばいと乗

ビジネス

今年もM&Aは好調見通し、リスクに備え規模追求=J
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    「不法移民からアメリカを守る」ICEが市民を射殺、証…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 10
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中