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「超高齢パパ」ブーム到来?...「年齢リスクは男性には関係ない」という「神話」の危険

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2023年7月8日(土)10時15分
シャノン・パラス(科学ジャーナリスト)

20年の別のレビュー論文は、APAと流産の関連性を示唆している。また、約1800万人の出産データを調べた今年5月の論文によると、男性が44歳以上の場合、生まれてくる子供に先天性異常がある可能性が高くなる。

高齢で父親になろうとしている男性は医師のカウンセリングを受けるべきだと、バックマンらの論文は述べている。また、高齢になってから子供を持ちたいと考えている男性に、精子の凍結を検討するように勧めている。

セレブの超高齢パパの話題は、男性の生殖能力についてやや楽観的ではないか。世の中の男性が不妊について間違った考えを持つのではないか。

これに関してバックマンは、良い父親になるには年齢以外に多くの要因があると語る。

「模範になること、指導と愛を与えること、よい聞き手になり教師になること、パートナーとの関係が良好であること。そして何よりも、父親であることを楽しむことだ」

もっと率直に危機感を抱く人もいる。男性不妊治療のスタートアップ「レガシー」のCEOは、あるインタビューでこう語った。

「70代で子供をつくったミック・ジャガーは、さまざまな意味で(男性不妊問題の)最大の敵だ」

©2023 The Slate Group

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