最新記事
テスラ

「他人のテスラを解錠できた」気付かず運転した男性と本来の持ち主、円満解決もお互い動揺

2023年4月10日(月)17時10分
青葉やまと
テスラのモデル3

鍵を掛ける習慣がなかったり、ある程度共通のものが使われていた大昔ならまだしも…(写真はイメージです) jetcityimage-iStock

<取り違えてしまった別のモデル3を解錠し、運転までできたとの事例が報じられている>

自動運転の不具合が相次ぐテスラだが、新たな問題が報告されている。リモートで車両の機能にアクセスする「Tesla アプリ」について、他人のテスラ車を解錠できてしまう不具合が北米で報じられている。

この深刻な不具合を経験したのは、カナダ西岸バンクーバーに住む2人のテスラオーナーだ。互いが所有する似た車両同士が偶然並んで駐車する形になっていたところ、取り違えが発生した。

通常ならば自らが所有する車両しか解錠できないため、ドアを開けることなく間違いに気付くはずだ。しかし、アプリを使って間違った車両のドアの施錠が解除されたほか、誤りに気付かないまま運転して走り去ることができてしまったという。

フロントガラスに走る見慣れない傷

誤って他人のテスラ車を運転してしまったのは、バンクーバーでコンサルトとして活動しているラジェッシュ・ランデヴさんだ。自らの不注意とはいえ、こうしたことができてしまった事態に動揺しているようだ。米有力紙のワシントン・ポストは、事の経緯を次のように報じている。

3月7日、いつものように子供を学校に迎えに行くため、ランデヴさんは愛車のテスラ・モデル3を走らせていた。だが、走り出してから15分ほどが経とうという頃、なにかがおかしいと感じ始めた。フロントガラスをよく見ると、付けた覚えのない小さな傷が走っている。

51歳のランデヴさんは、カナダのグローバル・ニュースに対し、妻が傷を付けたのかとも疑ってしまったと語っている。だが、妻にも心当たりはなかった。

傷だけなら場合によると、不注意で知らぬ間に生じていたのかもしれない。だが、センターコンソールに置いてある携帯の充電ケーブルに手を伸ばすと、あるはずのケーブルがそこにない。まるでよく似た別の車両に乗っているかのようだ。

似通ったモデル3同士の取り違え

そのとき、ランデヴさんの携帯電話に、見知らぬ番号からショートメッセージが届いた。「テスラをお持ちですか?」「たぶん車を間違えていると思います」

本来の持ち主からのメッセージだった。こうしてランデヴさんは初めて、他人のテスラ車を運転していることに気付いたという。振り返れば発車前、ランデヴさんが乗り込んだ白のテスラ・モデル3のほかに、まったく同じ白のモデル3が路肩に並んで駐まっていた。迎えの時間に間に合わせようと急いでいたランデヴさんは、不注意で別の車両に乗り込んでしまったようだと語っている。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

三井住友FG、印イエス銀株の取得を完了 持分24.

ビジネス

ドイツ銀、2026年の金価格予想を4000ドルに引

ワールド

習国家主席のAPEC出席を協議へ、韓国外相が訪中

ワールド

世界貿易、AI導入で40%近く増加も 格差拡大のリ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中