最新記事

新型コロナウイルス

オミクロン新派生型BA.4とBA.5、当初株感染の免疫迂回か

2022年5月3日(火)07時17分
シカゴのマクドナルド店内ワクチンの追加接種を受ける男性

新型コロナウイルス感染が再び増えている南アフリカの複数の研究機関によると、昨年11月に命名された当初のオミクロン株感染歴のある人の抗体に対し、新たな派生型「BA.4」と「BA.5」がすり抜ける可能性が示された。写真は、米シカゴにあるマクドナルドの店舗でワクチンの追加接種を受ける男性。昨年12月撮影(2022年 ロイター/Jim Vondruska)

新型コロナウイルス感染が再び増えている南アフリカの複数の研究機関によると、昨年11月に命名された当初のオミクロン株感染歴のある人の抗体に対し、新たな派生型「BA.4」と「BA.5」がすり抜ける可能性が示された。ただ、ワクチン接種済みの人の血中抗体量は減少がはるかに食い止められたという。

両派生型は世界保健機関(WHO)が先月に監視対象に含めた。

研究では当初のオミクロン株に感染していた39人の血液を採取。ワクチン未接種の24人の血液サンプルは「BA.4」と「BA.5」にさらすと、当初のオミクロン株にさらした場合に比べて抗体形成減少が約8倍近いペースになった。米ファイザーないしジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の接種が済んだ15人では、3倍のペースにとどまった。

研究は1日までに査読前論文の形で発表された。

当局者や研究者は4月28日、南アが予想よりも早くコロナ感染の第5波に入りつつあるかもしれないと表明。「BA.4」と「BA.5」が原因との見方を示していた。同国でコロナワクチン接種を終えた比率は約3割にとどまっている。今回の研究も、両派生型が新たな感染の波につながっている可能性があると指摘している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、高市首相答弁の撤回要求 日中外務高官協議

ビジネス

高市首相と会談、植田日銀総裁「利上げは今後のデータ

ビジネス

英中銀、投資銀業務分離規制の一部緩和検討か 抜本改

ワールド

経済対策、「しっかり必要な額」求める声多く=自民政
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 9
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 10
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中