最新記事

新型コロナウイルス

イギリスでさらに感染力の強い第2の変異種が出現

Second COVID Mutation in U.K.: ‘Even More Transmissible’

2020年12月24日(木)12時13分
マシュー・インペリ

第2の変異種が見つかったと発表したハンコック英保健相(12月23日) Kirsty Wigglesworth/Pool via REUTERS

<イギリスで新型コロナウイルスの変異種の感染が急拡大するなか、南アフリカ由来とみられる第2の変異種が確認された>

イギリスで既に見つかっていた変異種よりも「さらに感染力が強い」新型コロナウイルスの変異種が新たに見つかったと、マット・ハンコック英保健相が12月23日の記者会見で発表した。

第2の変異種は南アフリカからもたらされた可能性がある。

「ここイギリスで、もう1つの変異種の感染例が2例確認された。2例とも、感染者は過去2週間に南アフリカに渡航歴がある」ハンコックはそう述べ、強い警戒感をあらわにした。

「新たに見つかった変異種はわが国で既に見つかっていた変異種よりもさらに感染力が強く、変異箇所がさらに多い可能性があるため、極めて憂慮すべき事態だ」

新型コロナウイルスの感染が急拡大するイギリスでは先週、最初の変異種が見つかったばかりだ。

最初の変異種が見つかったばかり

先週の記者会見でハンコックは、最初に見つかった変異種で「1000件を超える感染例が判明している。多くはイングランド南部に集中しているが、60近い自治体で発見されている」と報告したばかりだった。「感染の広がりがどの程度、変異種の性質によるものかは分からないが、それがどうであれ、残念ながらこの死を招く感染症を抑え込むには迅速かつ決定的な措置が絶対的に不可欠であり、ワクチン接種を進める一方で、厳格な行動制限措置を取らざるを得ない」

ボリス・ジョンソン英首相は12月20日、最初の変異種が確認されたことを発表し、感染例が出た地域では厳しい封じ込め策が取られることになると語った。

「感染の急拡大は変異種によるものとみられる。変異種はより感染しやすく、最大70%感染力が強い可能性がある」

ジョンソンのこの発表を受けて、各国が一斉にイギリスからの渡航制限に踏み切った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

韓国LGエナジー、第1四半期は前年比75%営業減益

ワールド

米、ウクライナに長距離ミサイル供与 既に実戦使用

ワールド

原油先物は下落、米利下げ後ずれによる影響を懸念

ビジネス

香港のビットコイン・イーサ現物ETF、来週取引開始
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中