最新記事

2020米大統領選

アメリカ大統領選挙、トランプは敗北を認める予定は当面なし=関係筋

2020年11月8日(日)17時37分

米大統領選でのジョー・バイデン氏の勝利が確実となった、共和党のトランプ大統領と側近らが明確に示したことが一つだけある。それは、トランプ氏は当面、敗北を認めないということだ。写真は5日、ホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Carlos Barria)

米大統領選でのジョー・バイデン氏の勝利が確実となった7日、共和党のトランプ大統領と側近らが明確に示したことが一つだけある。それは、トランプ氏は当面、敗北を認めないということだ。

根拠のない「詐欺行為」を数カ月にわたり訴え、選挙結果に疑問を呈してきたトランプ大統領は7日、法廷闘争によってバイデン氏が制した州の投票結果を覆そうとする構えを見せた。トランプ氏の側近や共和党関係者らは、今後の進め方について戸惑いを隠せないものの、トランプ氏の戦略におおむね賛同するか、口をつぐんだままだ。

トランプ氏周辺の複数の人物は匿名を条件に取材に応じ、選挙結果が覆され、同氏がホワイトハウスに残る可能性はほぼないだろうと語った。最終的な敗北宣言の発表までの時間を、異議申し立てに使うという。

「潔い敗北宣言を」

一方、複数の共和党関係者は、潔く去らないことによって大統領のレガシーに汚点が残り、今後の政治人生が損なわれることを懸念している。ある共和党議員は、「痛々しい負け犬だと思われてしまったら、2024年の再出馬のチャンスがなくなる」と語った。

これまで全面的にトランプ氏を擁護してきたフォックス・ニュースの司会者ローラ・イングラハム氏は6日、「万が一その時が来たら」という前置きをしてから、大統領にこう呼びかけた。その時は、好ましくない結果を「品性と落ち着きをもって」受け入れる必要があると。また、ウォールストリート・ジャーナルの編集委員会は、不正投票を訴えるには証拠が必要だと指摘した。

(Jeff Mason、Steve Holland、Andrea Shalal、Alexandra Alper記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



グラフィック アメリカ大統領選挙開票状況


 


【話題の記事】
・【調査報道】中国の「米大統領選」工作活動を暴く
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 AIの6原則
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月22日号(7月15日発売)は「AIの6原則」特集。加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」/仕事・学習で最適化する6つのルールとは


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

TSMC、第2四半期は過去最高益 AI需要寄与 関

ビジネス

アングル:仮想通貨「$トランプ」が異例のスピード上

ビジネス

アングル:米大手銀でステーブルコイン立ち上げの動き

ビジネス

英賃金上昇率が鈍化 被雇用者数は上方修正で労働市場
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 9
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中