最新記事

感染症対策

G20「新型コロナワクチンを手頃な価格で公平な供給に尽力」首脳会議声明

2020年11月23日(月)10時29分

20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は22日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、貧富の差が拡大する可能性への懸念に対応し、「あらゆる人々」に新型コロナの治療薬や検査、ワクチンを手ごろな価格で公平に供給することに尽力すると表明した。写真はサミットで演説する議長国サウジアラビアのサルマン国王(右)。提供写真(2020年 ロイター/Bandar Algaloud/Courtesy of Saudi Royal Court)

20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は22日、オンライン形式で実施した2日間の討議を終え閉幕した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、貧富の差が拡大する可能性への懸念に対応し、「あらゆる人々」に新型コロナの治療薬や検査、ワクチンを手ごろな価格で公平に供給することに尽力すると表明した。

今回のサミットでは、パンデミックやまだら模様で不透明感の強い景気回復の見通しが議論の焦点となった。

G20は共同声明で「COVID─19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックと、それによる人々の命や生活、経済への前例のない影響は、無類の衝撃を引き起こし、われわれの備えや対応のもろさとともに共通の課題を浮き彫りにした」と指摘。

「人命保護や支援提供で、最も影響を受けやすい人々に特に焦点を当て、経済を成長軌道に戻し、あらゆる人々の雇用を保護・創出するため」取り組むと表明した。

新型コロナのワクチンや検査、治療薬については「全ての人々が手ごろな価格で公平に利用できるよう、努力を惜しまない」と強調した。

議長国サウジアラビアのジャダーン財務相は記者会見で「G20は、どこかの国を置き去りにすれば、全ての国が後れを取ることになるという明確な認識を持っている」と述べた。

また、サウジのサルマン国王は「(G20は)底堅く、持続可能で包摂的かつバランスの取れた経済に向けた回復を達成する重要な政策を採択した」と語った。

G20首脳は、一部の国や産業の段階的な経済活動再開により、世界経済は部分的に回復しているものの、回復は一様ではなく、強い不透明感が伴っていると指摘。「必要な限り、利用可能なあらゆる政策手段」を活用し、人々の命や雇用、所得を守ることに引き続きコミットしていると表明した。

また、気候変動への対応が喫緊の課題だとの認識も示した。

トランプ米大統領はG20首脳会議で、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱するという自身の決定の正当性を主張した。米国は大統領選翌日の11月4日に同協定から正式に離脱した。ただ、大統領選で勝利を確実にしたバイデン前米副大統領は、次期大統領に就任し次第、同協定への復帰を表明している。

債務軽減策

G20は、最貧国の債務返済猶予を2021年半ばまで延長する計画とそれ以降の債務問題への対応で共通のアプローチを取ることを承認した。

債務支払猶予イニシアチブ(DSSI)は2020年にこれまで46カ国の債務(57億ドル)返済を猶予したが、支援の規模は対象となる73カ国に至らず、目標の約120億ドルを大幅に下回っている。

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、新型コロナによる影響軽減に向けたG20の取り組みは大規模な破綻や危機の一段の深刻化を防ぐのに役立ったものの、さらなる行動が必要と訴えた。

G20首脳会議後、声明で「世界はまだ危機を脱していない。今後は協力が一層重要になる」と述べた。

専務理事は、債務への対応でDSSIを超えたG20の枠組みの迅速かつ効果的な実施を呼び掛けた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナが改めて浮き彫りにした「毛皮工場」の存在
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力



ニューズウィーク日本版 トランプのイラン攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月10号(3月3日発売)は「トランプのイラン攻撃」特集。核・ミサイル開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。アメリカとイランの全面戦争は始まるのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反発、イラン巡る外交に期待 ハイテク

ビジネス

NY外為市場=ドル反落、中東懸念後退でリスク選好回

ワールド

イラン、CIAに停戦協議打診も返答なし イスラエル

ワールド

トルコ、イランの弾道ミサイル迎撃 NATO防空シス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中