最新記事

医療

トランプの病状は数日内に急変する可能性がある

Trump's COVID May Be at 'Crucial' Stage, Some Cases Turn Severe After Day 7

2020年10月7日(水)17時35分
カシュミラ・ガンダー

だが英バース大学の微生物病原体の専門家アンドリュー・プレストンによると、ジョンソンの回復後、いくつかの有望な治療法が見つかっている。そのなかには、抗ウイルス剤のレムデシビル、抗炎症ステロイドのデキサメタゾン、および感染と戦うために体が作り出すタンパク質を模倣するリジェネロン社の未承認の抗体カクテル療法REGN-COV2などがある。

ハンターもプレストンも、トランプの主治医が取ったアプローチについて「すべてをやりつくしている」と評価した。コンリーによると 上記の薬のほか、トランプには酸素吸入も行われ、亜鉛、ビタミン D、ファモチジン、メラトニンとアスピリンも投与されている。

こうした組み合わせで治療を受けた患者はトランプが初めてとみられ、トランプの容体はホワイトハウスの発表以上に深刻なのではないか、トランプはいわゆる「VIP待遇」で、普通の人には手の届かない治療を受けられたのではないかなど、疑問も多くあがっている。

通常、レムデシビル、REGN-COV2、デキサメタゾンを投与するのは、原則「患者が重症になったときだけ」。とくに抗炎症剤のデキサメタゾンは、重症患者でなければかえって病状を悪化させかねないとハンターは言う。これらの薬剤を一緒に使うことも普通はない。

「複数の異なる薬を投与する場合、異なる薬物間の相互作用が有益なものか有害なものかは、やってみないとわからない」と、ハンターは言う。

前人未踏の領域

プレストンも同じ意見だ。「そのような組み合わせにどういう影響があるか、データはないと思う。だから時がたってみなければわからない」

「純粋にウイルス学的な観点から言えば、これらの薬を組み合わせて早期に投与することで、新型コロナ感染による急性合併症の可能性が減ると思う」と話すのは、臨床ウイルス学者のジュリアン・W・タン英レスター大学名誉准教授だ。トランプの病気は軽度ですむと見ているが、それでも長期的な合併症が起きる可能性は排除できないという。

ニューズウィーク日本版 日本人が知らない AI金融の最前線
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月3号(2月25日発売)は「日本人が知らない AI金融の最前線」特集。フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに[PLUS]広がるAIエージェント

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタン国防相、アフガンとの戦争宣言 「忍耐の限

ワールド

EU法務官、欧州委の情報開示要求支持 米メタの訴え

ワールド

韓国現代自グループ、データセンター・ロボット工場建

ワールド

米政府、南ア国籍白人からの難民申請受け入れに高い目
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルーの大スキャンダルを招いた「女王の寵愛」とは
  • 4
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 5
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 6
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「まるで別人...」ジョニー・デップの激変ぶりにネッ…
  • 9
    【和平後こそリスク】ウクライナで米露が狙う停戦「…
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 5
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中