最新記事

人種差別

ガーナ、人種差別に苦しむアメリカ黒人に「帰還」を呼びかけ

Ghana Minister Invites African-americans to Re-settle in Africa

2020年6月11日(木)15時10分
ブレンダン・コール

BBCによれば、連邦議会黒人幹部会のカレン・バス会長はこう語った。「ケンテはアフリカの伝統で、私たちにとって重要な意味を持つものだ。それを身に着けることは、連帯を意味する」

ガーナ政府がアフリカ系市民に「帰還」を呼びかける声は、今後ますます大きくなっていきそうだ。

ラキーシャ・マリー・フォードは、スペルマン・カレッジ(ジョージア州アトランタ)の海外留学プログラムの一環として、2008年に初めてガーナを訪れた。その後アクラでPR会社フォード・コミュニケーションを創業し、5年前からガーナに永住している。

「ガーナの方が自由な気持ちになれた。私はジャマイカ系アメリカ人だが、ガーナには文化的に似ている部分がたくさんある」と彼女は本誌に語った。

「20代で自分のアイデンティティーの土台を認識できたことは大きかった。周囲の環境に目を向けて、自分がどうやってこの場所に付加価値を与えられるかを考えることができた。アメリカにいたら、きっといまだに人種差別と闘っていて、そんな余裕はなかっただろう」

急速な経済成長を続けるガーナに魅力を感じているという彼女は、アメリカにいるよりもガーナにいる方がずっとスピーディーに、ダイナミックなアイデアを実現することができると語る。

「新興市場には、幅広いスキルが必要だ。誰だって、持っているスキルのレベルに関係なく、ここで活躍の場所を見つけて、社会に影響を及ぼすことができる」

(翻訳:森美歩)

<参考記事>片付けの魔法で急増する古着ゴミ ガーナを悩ませる「ときめかない現実」
<参考記事>ガーナで撤去された「差別主義者」マハトマ・ガンジーの像

20200616issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

国連安保理が緊急会合、イランとイスラエルが非難の応

ワールド

イラン、米との協議「無意味」 イスラエル攻撃巡り不

ワールド

イランとイスラエル、再び相互に攻撃 テヘラン空港に

ワールド

焦点:トランプ減税法案、米重要鉱物企業を直撃 税控
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 6
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 7
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 10
    救いがたいほど「時代錯誤」なロマンス映画...フロー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中