最新記事

ワクチン開発

米モデルナ社のコロナワクチン、初期治験で「有望な結果」 45人の被験者全員が抗体を獲得

Everything We Know About Moderna's Coronavirus Vaccine

2020年5月19日(火)14時28分
ブライアン・カーク

「(mRNA-1273が)ファストトラック対象に指定されたことは、新型コロナウイルス感染症のワクチンの必要性が差し迫っていることを示している」とザクスは語った。

ほかにもオックスフォード大学、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ギリアド・サイエンシズ、サノフィ、ノヴァヴァックスやグラクソ・スミスクラインなどの研究者たちが、COVID-19のワクチン開発に携わっている。

だがヒトを対象にした治験の実施を認められているのは、モデルナを含む7社のみ。これらの企業の多くが、化学合成が可能でより迅速に開発・製造が可能なRNAワクチンを製造したか、製造過程の段階にある。

体の免疫システムがウイルスを認識し、それに抵抗できるようにする通常のワクチンと異なり、RNAワクチンは体内の細胞に特定の病原体の一部を生成させ、それに対する抗体を獲得させようとするもの。比較的容易に安全性の高いワクチンが作ることができる。

ドナルド・トランプ米大統領は5月3日、アメリカで2021年までに新型コロナウイルスのワクチンが開発されると確信していると発言。「近い将来、ワクチンが手に入ると思う」と述べた。

米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、新型コロナウイルスではこれまでに世界で470万人が感染。170万人が回復し、31万6000人近くが死亡している。

20050519issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月19日号(5月12日発売)は「リモートワークの理想と現実」特集。快適性・安全性・効率性を高める方法は? 新型コロナで実現した「理想の働き方」はこのまま一気に普及するのか? 在宅勤務「先進国」アメリカからの最新報告。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

TSMC株が6.7%急落、半導体市場の見通し引き下

ワールド

イスラエルがイラン攻撃と関係筋、イスファハン上空に

ビジネス

午後3時のドルは154円前半、中東リスクにらみ乱高

ビジネス

日産、24年3月期業績予想を下方修正 販売台数が見
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中