最新記事

感染症対策

東京都、学習塾・劇場など週明け再開へ 休業要請「ステップ2」へ緩和

2020年5月29日(金)17時05分

東京都の小池百合子知事(写真)は記者会見で、段階的に進めている休業要請の緩和に関連し、6月1日付で現行の「ステップ1」から「ステップ2」に移行すると正式発表した。写真は休業要請を受けて休演した東京・築地の歌舞伎座。STOYAN NENOV - REUTERS

東京都の小池百合子知事は29日の記者会見で、段階的に進めている休業要請の緩和に関連し、6月1日付で現行の「ステップ1」から「ステップ2」に移行すると正式発表した。これに伴い学習塾や劇場、ショッピングモールやスポーツジムなどの営業が再開可能となる。

小池知事は判断の基準として、新型コロナウイルス新規感染者数が1人20人を下回っている点や、入院・重症患者の減少で医療体制も十分確保できている点などを挙げた。国による緊急事態宣言の解除後も、鉄道の通勤客数が増えてはいるが、急激ではないとの認識も示した。

一方、ここ数日で新規感染者数が増えていることは、判断に迷った点の一つとも指摘。「若い方の新規感染者が増えており夜の街との関連を分析したいが、お互いの感染防止のために協力してほしい」と要請。新型コロナウイルスの有効な治療薬が不在な中で、急激な感染拡大を防止するため、共存を前提とする日常、「ウィズコロナ」への覚悟を改めて求めた。

休業要請は「ステップ3」まで段階的に解除する。 ひとつのステップは2週間程度を目安とするが、感染者が少ない状況が続けば、次のステップへの移行期間短縮も検討すると小池知事は説明している。

東京都は政府が25日に緊急事態宣言を全面解除したことを受け、26日から「ステップ1」に移行。図書館などの文化施設を再開、飲食店の営業時間短縮要請も午後8時までから同10時までに緩和していた。

休業要請の解除に向けて、都が参照するのは、1)1日の新規感染者数(直近7日間平均で20人未満)、 2)新規感染者のうち感染経路不明率(50%未満)、3)週ごとの感染者の増減、4)重症患者数、5)入院患者数、6)陽性率、7)受診相談窓口の相談件数─の7指標。

【休業要請の緩和に向けた東京都の指標】
table.png

【施設別の休業要請緩和ステップ】

newsweek_20200529_180628.png




[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染15人 2桁台で3日連続増加
・ブラジルのコロナ無策は高齢者減らしのため?
・韓国、新型コロナ新規感染者は79人 4月5日以来最多、ネット通販の物流センターで感染拡大
・経済再開が早過ぎた?パーティーに湧くアメリカ


20200602issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月2日号(5月25日発売)は「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集。行動経済学、オークション、ゲーム理論、ダイナミック・プライシング......生活と資産を守る経済学。不況、品不足、雇用不安はこう乗り切れ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

10月の世界EV販売は23%増の190万台、欧州・

ワールド

欧州委、安保強化へ情報専門部署設置検討 国際的緊張

ワールド

政府、非核三原則を政策方針として堅持=首相答弁巡り

ビジネス

米消費者保護当局、公民権時代の融資法を縮小へ=関係
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中