最新記事

ロシア疑惑

トランプ大統領インタビュー モラー氏のロシア疑惑聴取に疑念「偽証罪のわな」に

2018年8月21日(火)09時29分

8月20日、トランプ米大統領は、ロイターのインタビューに応じ、ロシアによる2016年米大統領選への介入疑惑を巡るモラー特別検察官の捜査について、いかなる宣誓証言をしても自らに対する偽証罪の証拠として利用される恐れがあることを懸念していると述べた。ホワイトハウスで20日、インタビューに応じるトランプ氏(2018年 ロイター/Leah Millis)

トランプ米大統領は20日、ロイターのインタビューに応じ、ロシアによる2016年米大統領選への介入疑惑を巡るモラー特別検察官の捜査について、いかなる宣誓証言をしても自らに対する偽証罪の証拠として利用される恐れがあることを懸念していると述べた。

捜査を巡っては、トランプ氏の顧問弁護士であるルディ・ジュリアーニ氏も、モラー氏の聴取に応じることは「偽証罪のわな」に陥る可能性があると警告していた。

トランプ大統領は、自らの証言がコミー前連邦捜査局(FBI)長官といった他者の証言と突き合わされ、何らかの食い違いがあれば自らに不利に働く恐れがあるとの懸念を表明。「彼(コミー氏)はモラー氏の親友であるため、モラー氏は『それではコミーを信じる』と言う可能性がある。たとえ私が真実を述べたとしても、私はうそつきにされる。それは良くない」と語った。

ただ、こうした疑念にもかかわらず、大統領はモラー氏の聴取に最終的に応じるかどうかについてコメントをしなかった。また、トランプ氏の外交政策などを批判していたジョン・ブレナン元中央情報局(CIA)長官に対して行ったように、モラー氏から機密情報を扱うのに必要なセキュリティー認証を剥奪する可能性についてもコメントを避けた。

トランプ大統領は「それについてはじっくり考えたことはない」と語った。

大統領はインタビューの中で、ツイッターでほぼ毎日投稿しているように捜査への不満を表明。モラー氏の捜査チームは偏見を抱いているとの主張を繰り返した。

また、自身が捜査への介入権限を持つと強く主張。ただ、今のところ権限を行使しないことを選択しているとした。

大統領は捜査について、ロシアとの関係強化に向けた自身の取り組みを妨げているほか、米国民の対立を招いているとして非難。「まんまとロシアの策略にはまった」と述べた。

ロシアが米大統領選挙に介入したとの結論を米情報機関は下しているが、ロシアを非難することはなかった。

[ワシントン 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ首相、カンボジアとの戦闘継続を表明

ワールド

ベラルーシ、平和賞受賞者や邦人ら123人釈放 米が

ワールド

アングル:ブラジルのコーヒー農家、気候変動でロブス

ワールド

アングル:ファッション業界に巣食う中国犯罪組織が抗
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中