最新記事

アメリカ政治

トランプ、大統領批判の元CIA長官から機密情報のアクセス権剥奪

2018年8月16日(木)09時34分

8月15日、トランプ米大統領は、オバマ政権下でCIA長官を務めたジョン・ブレナン氏(写真)から機密情報を扱うのに必要なセキュリティー認証を剥奪した。ワシントンで昨年5月撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は15日、オバマ政権下で中央情報局(CIA)長官を務めたジョン・ブレナン氏から機密情報を扱うのに必要なセキュリティー認証を剥奪した。トランプ政権に対する「事実に基づかない理不尽な一連の主張」があったためだという。

ホワイトハウスのサンダース報道官が発表した声明文で、トランプ大統領は他の政府元高官に対してもセキュリティー認証を剥奪すると述べた。いずれの元高官も、同大統領を批判していた。

大統領は、暴露本を出版した元補佐官の黒人女性オマロサ・マニゴールト氏をツイッターで非難。これに対し、ブレナン氏は「あなたがこれほど、最低限の良識、礼節、高潔さすら守れないとは驚きだ。大統領を務めることの意味や、良識的で謙虚で誠実な人間として生きることの意味を、あなたが理解することはないのだろう。わが国にとって、非常に失望的で危険な人物だ」と批判した。

トランプ大統領は「ブレナン氏は最近、インターネットやテレビを通じ、現政権に関する事実無根で理不尽な一連の主張をするため、機密性の高い情報へアクセスできる元政府高官としての身分を利用した」と述べた。

ブレナン氏はツイッターで、引き下がるつもりはないと述べ、「この措置は、言論の自由を弾圧し批判を封じ込めるためのトランプ氏による広範囲の努力の一環だ。情報機関のプロを含め、すべての米国民にとって重大な懸念となるだろう。私の主義は明らかだ。私は屈しない」と主張した。

大統領はジェームズ・クラッパー前国家情報長官、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー前長官、オバマ前政権時代に国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたスーザン・ライス氏、マイケル・ヘイデン前米国家安全保障局(NSA)長官、サリー・イエーツ元司法長官代行らに対しても認証剥奪を示唆している。

[ワシントン 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アルコア、第2四半期の受注は好調 関税の影響まだ見

ワールド

英シュローダー、第1四半期は98億ドル流出 中国合

ビジネス

見通し実現なら利上げ、米関税次第でシナリオは変化=

ビジネス

インタビュー:高付加価値なら米関税を克服可能、農水
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中