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オーストリアは永世中立、でもロシアが好き

2018年4月14日(土)16時20分
フランツシュテファン・ガディ(ディプロマット誌シニアエディター)

一方で、オーストリアは95年にEUに加盟した段階で、実際には中立でなくなったという批判もある。国外でのビジネス権益が危うそうなときや、安全保障責任の拡大を回避したいときに都合よく中立を振りかざすだけ。オーストリアは「安全保障政策のたかり屋」だ......。そうした不満もあって、欧州各国はロシアをめぐるオーストリアの最近の態度を問題視しているのかもしれない。

愚かな調停役になるのか

ロシア外交官を追放しないとして「オーストリアがとりわけ非難されているが、同様のEU加盟国はほかにもある」。オーストリアの政治学者、ゲアハルト・マンゴットはそう指摘する。「EU内の大国はオーストリアがロシアと特別な関係を築こうとしているのではないかと疑い、妨害しようとしている」

それでも、中立な仲介者であろうとするオーストリアの態度は、究極的には思慮と戦後史に基づいている。重視されるのは対ロ関係よりも、地政学的な緩衝国という自国観。現政権はEU崩壊のための陰謀など描いてはいないし、オーストリア政府はロシアの手先でもない。

外交は多くの場合、小国にとって危機のさなかで自国の声を伝える唯一の手段となる。クルツは以前からウィーンでの米ロ首脳会談の開催を提唱。ロシアは3月29日、スクリパリの事件に絡んでオーストリアの仲介を受け入れる可能性があると発表した。

ただし、伝統は不注意の言い訳にはならない。オーストリアの政治家たちは肝に銘じるべきだ。善意の調停者はたちまち、「プーチンに利用される愚か者」に転じかねないことを。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2018年4月17日号掲載>

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