最新記事

中国戦略

孔子学院が遂にFBI捜査の対象に

2018年2月20日(火)17時30分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

2015年、訪英して孔子学院会議に出席した時の習近平国家主席 Peter Nicholls-REUTERS

米連邦捜査局FBIが孔子学院をスパイ活動容疑で捜査する。ワシントンから来たメールは同時に、孔子学院の化けの皮をはがす「孔子の名において」というドキュメンタリー映画にも触れている。日本はまだ無頓着だ。

FBIが孔子学院をスパイ容疑で捜査

2月14日、ワシントンの華人華僑による民主化運動団体からメールが届いた。メールの頭には"FBI investigating Confucius Institutes"(FBIが孔子学院を捜査している)という情報のURLが示されていた。FBI(米連邦捜査局)が孔子学院をスパイ活動やプロパガンダ活動などの容疑で捜査するとのことだ。

メールの説明によれば、2月13日、米連邦議会上院の情報委員会の公聴会で、クリストファー・ライ(Christopher A. Wray)FBI長官が証言したという。アメリカの大学を中心として中国共産党の思想を宣伝し、スパイ活動まで働いていると主張した。

もっとも、このことは早くから指摘されていて、たとえば2014年6月にアメリカ合衆国大学教授協会は「孔子学院は中華人民共和国の国家の手足として機能しており、『学問の自由』が無視されている」と批判し、関係を絶つよう各大学に勧告した。

現在では北米を中心に孔子学院の閉鎖が相次いでいる。アメリカではシカゴ大学、ペンシルベニア州立大学、カナダのマクマスター大学などが同院を閉鎖した。またカナダ大学教員委員会は「独裁政権の中国が監督し、助成金を出す機関」と指摘し、関係を断つと表明している。カナダの最大学区トロント地区教育委員会は「学問の自由を規制し、学生を監視している」とし同院の受け入れを拒否する意向を示した。

孔子学院は電子機器に情報漏洩の穴を開ける「トロイの木馬」と喩え、機密情報の安全性を脅かすものと、前カナダ政府安全情報局アジア太平洋地区チーフのミシェル・ジュノ―カツヤ氏は指摘している。

映画「孔子の名において」

今般、ワシントンから送られてきたメールの主なテーマは、ドキュメンタリー映画『In the name of Confucius』に関する内容だった。中国語では「偽の儒教」など色々な訳が試みられているが、筆者としては日本語で「孔子の名において」と、そのままストレートに翻訳した方が分かりやすいと思うので、以下「孔子の名において」としてご説明する。

「孔子の名において」は、まさに上記のカナダの孔子学院で教員だった華人女性の視点を中心に、大学側と中国共産党政府、言論の自由の抑圧に焦点をあてたドキュメンタリー映画である。

ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金正恩氏、新開発の戦術兵器の実験視察=KC

ビジネス

米テスラ、月末までのモデル3受注は年内納車へ=マス

ワールド

北朝鮮テレビ、正恩氏が「新開発」兵器の実験視察と報

ビジネス

焦点:米SECが議決権ルール見直しへ、投資家と衝突

MAGAZINE

特集:ここまで来たAI医療

2018-11・20号(11/13発売)

病院での待ち時間や誤診、膨れ上がる医療費── 「切り札」人工知能が医療の難題を解決する日

人気ランキング

  • 1

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになったおぞましい新事実

  • 2

    BTSはなぜ「原爆Tシャツ」を着たのか?原爆投下降伏論のウソ

  • 3

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐待の日々

  • 4

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない…

  • 5

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 6

    人肉食が予防した不治の病

  • 7

    ナメクジを食べた男性、脳を侵す寄生虫で8年後に死亡

  • 8

    期待の中国でも販売シェア半減に 韓国現代自動車は…

  • 9

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 10

    ベジタリアンに人肉を提供して殺人が発覚

  • 1

    「人肉を食べ飽きた」呪術師らの公判で明らかになったおぞましい新事実

  • 2

    徴用工判決が突きつける「日韓国交正常化の闇」 韓国大法院判決全文の熟読で分かったこと

  • 3

    【動画】本当に飛んだ、ドバイ警察の「空飛ぶバイク」

  • 4

    金融庁も激怒した、日本の投資信託のイケてなさ

  • 5

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 6

    ナメクジを食べた男性、脳を侵す寄生虫で8年後に死亡

  • 7

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 8

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非…

  • 9

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 10

    離陸前のインドネシア機から乗客脱出 荷物室にあっ…

  • 1

    ナメクジを食べた男性、脳を侵す寄生虫で8年後に死亡

  • 2

    ベジタリアンに人肉を提供して殺人が発覚

  • 3

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない「仲間」たち

  • 4

    子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を…

  • 5

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 6

    安倍首相はよく耐えた!

  • 7

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の…

  • 8

    全否定の「囚人筋トレ」が普通の自重筋トレと違う3つ…

  • 9

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度…

  • 10

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
「♯レゴのすべて」投稿キャンペーン
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

ニューズウィーク日本版特別編集 レゴのすべて

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月