最新記事

日韓関係

安倍首相、平昌オリンピックの開会式出席を表明

2018年1月24日(水)11時25分

1月24日、安倍晋三首相は、韓国・平昌で2月9日に開かれる冬季五輪の開会式に出席する意向を表明した。写真は22日始まった通常国会で施政方針演説をする同首相(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

安倍晋三首相は24日、韓国・平昌で2月9日に開かれる冬季五輪の開会式に出席する意向を表明した。

慰安婦問題を巡る韓国側の強硬姿勢を受け、政府・与党内には当初、首相出席に対する慎重論もあったが、米国のペンス副大統領が出席を決めたほか、他の主要国からも首脳クラスの参加が見込まれるため、安倍首相の出席を決断したとみられる。

安倍首相は24日午前、首相官邸で記者団に対し、2020年の東京五輪を前に同じアジアで開催される平昌五輪への出席を決め「選手団を激励したい」と述べた。

同時に、慰安婦問題に関する日韓合意は変更しないとの日本の立場を、日韓首脳会談で「しっかり伝えたい」と語った。

さらに北朝鮮に対する日米韓の連携と最大限に高めた圧力を維持していく必要性を韓国側に伝えたいとした。

安倍首相は、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領から平昌五輪への招待を受けたが、日本政府はすでに鈴木俊一五輪担当相と林芳正文科相の出席を予定していた。文政権は、2015年12月の日韓合意を巡り、合意自体の見直しは求めないものの、日本側に自発的な対応を求めており「首脳クラスが訪問できる状況ではない」(与党関係者)との声もあった。

一方、2018年1月に入り、平昌五輪を契機として朝鮮半島の南北融和ムードが進展。開会式では南北統一チームでの入場行進も決まった。

さらにペンス副大統領の出席決定や、日本選手による過去最多のメダル獲得の可能性も出てきている中で、二階俊博幹事長や公明党の山口那津男代表ら与党幹部からも安倍首相の出席を促す発言が出ていた。

今回の首相出席に関し、政府としては「慰安婦問題とは切り分ける」(政府高官)という決断をしたもようだ。

[東京 24日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物続伸し3%超上昇、イラン・イスラエルの攻撃

ビジネス

ECB、2%のインフレ目標は達成可能─ラガルド総裁

ワールド

トランプ氏、イラン・イスラエル和平を楽観視 プーチ

ワールド

ネタニヤフ氏、イランの体制崩壊も視野 「脅威取り除
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中