最新記事

フィリピン

国連人権高等弁務官、ドゥテルテ比大統領による殺人の捜査要求

2016年12月21日(水)12時35分

12月21日、国連のゼイド人権高等弁務官は、フィリピンのドゥテルテ大統領(写真)がダバオ市長時代に3人を殺害したとする事件や、大統領の麻薬取り締まり作戦での全ての殺害について、捜査に着手するようフィリピン当局に求めた。タルラック市で11日撮影(2016年 ロイター/Czar Dancel)

 国連のゼイド人権高等弁務官は、フィリピンのドゥテルテ大統領がダバオ市長時代に3人を殺害したとする事件や、大統領の麻薬取り締まり作戦での全ての殺害について、捜査に着手するようフィリピン当局に求めた。

 ドゥテルテ大統領は先週、ビジネスリーダーらとの会合で、ダバオ市長として町中をパトロールし、「個人的に」犯罪者を殺害したと発言。その後、誘拐に関与していた3人を1980年代後半に殺害したと認めた。

 ゼイド氏は「フィリピンの司法当局は、法の順守と司法権の独立を示す必要がある」とし、「大統領が言及した殺人は、生存権や適正な手続、公正な裁判などといった国際法に違反する」と声明で述べた。

 フィリピンのドゥテルテ大統領派の議員らは、大統領在任中は訴追されず、就任前の行動について捜査されることはないと指摘。「当時のレイラ・デリマ法相が事件を捜査したが、何も立件できなかった」とロドルフォ・ファリナス議員は述べた。

 フィリピンでは、ドゥテルテ氏が7月に大統領に就任して以来、警察の麻薬取り締まり作戦で2000人以上が殺害されたほか、3000人が捜査過程で死亡している。

[マニラ 21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ・カンボジア両軍、停戦へ向け協議開始 27日に

ワールド

ゼレンスキー氏、和平案巡りトランプ氏との会談求める

ビジネス

米新規失業保険申請件数、1万件減の21.4万件 継

ワールド

EU・仏・独が米を非難、元欧州委員らへのビザ発給禁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 6
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 7
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    【投資信託】オルカンだけでいいの? 2025年の人気ラ…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中