最新記事

2016米大統領選

トランプ、大富豪のはずなのに選挙資金の少ない大統領選候補者

2016年10月21日(金)18時29分

10月20日、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は、近年の大統領選で最も選挙資金が少ない候補となる可能性がある。ニューヨークで開かれたアル・スミス元州知事記念基金の夕食会で撮影(2016年 ロイター/Carlos Barria)

 米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は、近年の大統領選で最も選挙資金が少ない候補となる可能性がある。ライバルの民主党ヒラリー・クリントン候補を支えるスタッフや広告に対抗するだけの資金がないまま、選挙戦の最終盤に突入した。

 11月8日の投票日まで3週間を切り、選挙戦の流れを変えるような大規模な作戦を放つために必要な多額の資金を集めるには、あまりに遅すぎる。9月末までに、トランプ氏が集めた資金は計1億6300万ドルで、クリントン氏の4億4900万ドルからは程遠い。

 ニューヨークの不動産開発業者で、自分の富を誇りにするトランプ氏は、選挙活動に数百万ドルの自己資金を投入すると明言。集めた1億6300万ドルに加え、予備選で4750万ドル、その後860万ドルの自己資金を費やした。

 トランプ氏の資金不足は、選挙活動中の一連の問題から富裕層が資金提供を渋っているのが原因。また、トランプ氏が資金調達活動や、大口の資金提供者への呼びかけに積極的でないことも反映している。

 選挙活動で最も出費の多いカテゴリーは、スタッフの人件費とテレビコマーシャルだ。

 人件費にトランプ氏は500万ドル、クリントン氏は3800万ドルを費やした。

 トランプ氏は9月、168人のスタッフを雇い、7月の82人から倍増させたほか、コンサルタントや臨時スタッフに500万ドルを支払った。クリントン氏の9月のスタッフ数は815人だった。

 広告への出費は、トランプ氏が4870万ドルで、クリントン氏が2億0400万ドル。豊富な資金力から、クリントン陣営は激戦州に資金を追加で投入。今週初め、200万ドルをアリゾナ州で費やすことを明らかにした。

 9月末までの総計では、トランプ氏は約1億9000万ドル、クリントン氏は4億0100万ドルを費やした。

[ワシントン/ニューヨーク 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ債の域外投資家純購入額、6月は598億ユーロ

ビジネス

6月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比3%

ビジネス

7月貿易収支は1175億円の赤字=財務省(ロイター

ワールド

EXCLUSIVE-米政権がTikTokアカウント
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 7
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 10
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 7
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中