最新記事

米利上げ

米FRB議長「緩やかな利上げ想定」、時期に関し言質与えず

2016年6月7日(火)10時48分

6月6日、イエレンFRB議長は前向きな国内景気の勢いがマイナス要因を上回っており、緩やかな利上げを想定していることを明らかにした。(2016年 ロイター/Charles Mostoller)

 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は6日、年初に見られたリスクが和らぐ中、前向きな国内景気の勢いがマイナス要因を上回っており、緩やかな利上げを想定しているとの認識を示した。

 議長は米景気先行きに関して明るい見方を示し、利上げ継続の方針を維持したものの、利上げ時期に関しては手掛かりをほとんど示さなかった。

 伸びが急減速した5月の米雇用統計をめぐっては、失望を誘う内容で注視する必要があるとの考えを示したが、「単月のデータを過度に重視すべきでない」と強調。労働市場に関する他の指標は、よりポジティブな内容になっているとした。

 5月の雇用統計は「驚き」としながらも、経済指標は中銀の中長期的な見通しを変える場合に限り、金融政策にとり意味があると説明した。

 議長は自身の見通し変更を迫られるような想定外の事態が起こる可能性はあるとしたが、米景気に対し総じて明るい見方を表明。米経済に対するリスクとして需要や生産性の鈍化、インフレ、海外リスクの4つを挙げたが、いずれも重要視しない考えを示した。

 その上で「想定通り、労働市場が力強さを増しインフレが2%目標に向けて前進する状況と今後入手する指標が整合すれば、フェデラルファンド(FF)金利を一段と緩やかに引き上げることが適切となる公算が大きい」と述べた。

 相殺する力が働く中で「雇用の伸びやインフレ加速を下支えする前向きな勢いが、マイナスの勢いを上回り続けると考える根拠がある」と分析。そのため「経済拡大が続き、労働市場がさらに改善して、国内総生産(GDP)も緩やかな伸びを示すと予想している」と語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=

ビジネス

NY外為市場=ドルまちまち、対円では24年12月以
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中