最新記事

外交

英原発に中国が巨額投資で合意、習主席「共に黄金時代開く」

史上初、西側諸国の原発に中国が投資という形で参加

2015年10月22日(木)11時36分

商談成立  10月21日、英国訪問中の中国の習近平国家主席は、英原発に対する数十億ドル規模の投資で合意した。共同会見で握手する習主席とキャメロン英首相。(2015年 ロイター/ Suzanne Plunkett)

 英国訪問中の中国の習近平国家主席は、英原発に対する数十億ドル規模の投資で合意した。

 原発投資は今回の訪英中に成立が見込まれる商談の目玉で、西側諸国の原発に中国が大型投資を行なう初のケースとなる。総額は明らかにされていない。

 原子力発電で中国最大手の国営企業、中国広核集団(CGN)がフランス電力公社(EDF)が手がける英南西部のヒンクリー・ポイント原発プロジェクトに60億ポンド(90億ドル)を投資する。

 CGNは180億ポンド(280億ドル)規模のプロジェクトについて権益の33.5%を取得する。原発の運用開始は当初予定から2年遅れの2025年となっている。東京電力福島第1原発事故以来、欧州で初めての原発建設となる。

 CGNはまた、原子力大手アレバが設計しEDFが英東部サイズウェルに建設する欧州加圧水型原子炉(EPR)2基についても、CGNが20%を出資することが決まった。一方、CGNがロンドン東部のブラッドウェルに建設を計画している中国設計の原発については、3分の2を出資する。

 習主席は「英中両国は21世紀に、グローバルで包括的な戦略的提携を確立し、共に黄金時代を開く」とし、原発投資はその柱になると表明した。

 英国は習主席の訪問中に約400億ポンド(620億ドル)規模の商談がまとまると見込んでいる。

[ロンドン/パリ 21日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ルーブル美術館強盗、仏国内で批判 政府が警備巡り緊

ビジネス

米韓の通貨スワップ協議せず、貿易合意に不適切=韓国

ワールド

自民と維新、連立政権樹立で正式合意 あす「高市首相

ワールド

プーチン氏のハンガリー訪問、好ましくない=EU外相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 7
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中