最新記事

インターネットを超えるブロックチェーン

音楽、働き方、マグロ......ブロックチェーンが変える6つのこと

WELCOME TO THE HIVE MIND

2018年11月28日(水)18時40分
アダム・ピオレ

ILLUSTRATION BY ALEX FINE

<ダイヤモンドもマグロも、迅速かつ透明な取引ができるようになる>



※12月4日号(11月27日発売)は「インターネットを超えるブロックチェーン」特集。ビットコインを生んだブロックチェーン技術は、仮想通貨だけにとどまるものではない。大企業や各国政府も採用を始め、データ記録方法の大革命が始まっているが、一体どんな影響を世界にもたらすのか。革新的技術の「これまで」と「これから」に迫った。
(この記事は本誌「インターネットを超えるブロックチェーン」特集より転載)

ある推計によると、2022年までに110億ドル近くが「ブロックチェーン経済」に投じられる見込みだ。

技術的な利点を考えれば、納得の投資だろう。ブロックチェーンは基本的にハッキングや改ざんができない。取引のたびに手数料を取る「信頼できる仲介者」は必要なくなる。さらに、連結されたコンピューターの「集団的知性」は、グーグルやアマゾンなどの大企業が巨大なサーバーとデータを管理するクラウドに取って代わることもできる。

ブロックチェーンは私たちの日常生活をどのように変えるのだろうか。

個人情報は自分で一括管理

スタートアップのuポートは、デジタルIDサービスを間もなく開始する。さまざまなデジタルサービスを利用する際の身分証明を一元的に管理できる上、どのサービスにどこまで情報を開示するかを、自分で決めることができる。本人の明示的な同意がなければ、企業は個人情報を収集できない。

仲介業者抜きの不動産投資

ブロックチェーンのアプリやサービスを開発するコンセンシス社から生まれたメリディオは、極めて小口の不動産売買をブロックチェーンで管理できるプラットフォームを開発している。不動産投資に及び腰な投資家を取り込むという狙いもある。

iTunesはいらない!

コンセンシスの出資を受けたウージョ・ミュージックは、スマートコントラクト(契約の自動化)に注目した音楽配信プラットフォームを開発している。iTunesやスポティファイなど配信サービスの仲介を飛ばして、アーティストが消費者に直接楽曲を提供することができ、対価も直接支払われる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

チリ大統領選で右派カスト氏勝利、不法移民追放など掲

ビジネス

インタビュー:海外投資の過半を米国に、国際的なガス

ワールド

イスラエル首相、反ユダヤ主義助長と豪首相を非難 ビ

ビジネス

インタビュー:プライベートデット拡大へ運用会社買収
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中