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高松の「実家じまい」に25年、1800万円かかった松本明子さんが語る教訓

2022年6月30日(木)11時00分
内埜 さくら(フリーインタビュアー、ライター) *東洋経済オンラインからの転載

松本明子さんとご両親の思い出の写真

『電波少年』や『DAISUKI!』など数々のバラエティ番組での飾らない明るさが印象的な松本明子さん。
そんな松本さんは、誰も住まなくなった四国の「実家じまい」に25年もかかった"苦労人"でもある。今月発売した著書『実家じまい終わらせました! ~大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』(祥伝社)ではその経緯を赤裸々に記している。
家族との思い出がたっぷり詰まった実家を処分することは、想像以上に大変なことだ。「私と同じしくじりをしてほしくなかった」と語る松本さんに詳しく聞いた。

「明子、実家を頼む」

――香川県高松市の、ご両親の実家を25年間維持する費用が、累計で1800万円超かかったと聞いて驚きました。実家じまいをするまで25年間もかかったのは、お父様の遺言に重みを感じたからだそうですね。

父が亡くなったのは、2003年8月末。私が37歳のときでした。亡くなる少し前に病室を見舞うと、「明子、実家を頼む」と声を絞り出すように言ったんです。

両親はその数年前に東京に呼び寄せていて、実家はすでに数年、空き家の状態でした。

でも、浮き沈みの激しい芸能界で私の仕事がなくなったとき、いつでも高松に戻って来られるようにという思いと、母をおもんぱかったうえでの遺言だったのかもしれません。わざわざ宮大工さんに頼んだこだわりがつまった家だったので、生きた証しとして自分の城を遺したかったのだとも思います。

実家の売却前にかかった諸費用の概算金額

(図:『実家じまい終わらせました! ~大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』より)


そうして、私は実家を相続で受け取りました。父は、高松の実家は2000万円ぐらいの価値があると考え、兄には実家の価値の半分ぐらいの金額を、保険を解約するなどして先に渡していました。実際には、実家にそこまでの価値はなかったことが後でわかるのですが、父がそこまで考えていてくれたことはとても嬉しかったですね。

ただ、いま振り返ると「実家を頼む」とはどのくらいの期間なのか、もっと具体的に聞いておけばよかった。私が一生涯、実家を管理すべきなのか。身体が動く70代ぐらいまでなのか、50代で手放していいという意味だったのか――。

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