コラム

官僚も官邸も「ウミ」まみれ、誰が日本を仕切るのか?

2018年05月12日(土)14時30分

何より心配なのは、朝鮮半島情勢を引き金に東アジアの情勢が「現状固定」から外れつつある今、日本が政官の双方でガバナンス、「日本を仕切る力」を失いつつあることだ。トランプ米大統領は、同盟関係も平気で取引材料にする政治家だ。安倍晋三首相はトランプと素早く関係を築いたが、相手は「問題があるのをごまかして、笑顔で擦り寄る日本人」という、アメリカの古い日本人観を再確認したような気でいるだろう。

朝鮮半島情勢は、南北平和条約締結、在韓米軍撤退、さらに南北統一の可能性さえ浮上するものになっている。既に韓国だけでもGDPはロシアを上回る。これに北朝鮮の核・ミサイルが加われば、日本の隣に核大国が出現する。

安倍首相は官僚制の「ウミを出し切る」と言っている。だがその前に、政権を覆うウミの原因となった自らの支援者や側近を切らねば、日本はリーダーを欠き、官僚主義や民主主義ですらない「無主物」のような存在となって、国際政治の波間を漂い始めかねない。

<本誌2018年5月15日号掲載>

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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