香港が国安法規則改正、容疑者にパスワードの開示要求可能に
2024年3月、香港で撮影。 REUTERS/Tyrone Siu
Jessie Pang
[香港 23日 ロイター] - 香港当局は23日、香港国家安全維持法(国安法)施行細則の改正で、国安法に違反した疑いがある容疑者に警察当局が携帯電話やコンピューターのパスワード開示を要求できるようになったと明らかにした。反体制派への取り締まりを強化するのが狙いだ。
従わない場合には最高で禁錮1年および10万香港ドル(1万2773米ドル)の罰金が科され、虚偽または誤解を招く情報を提供した場合は最高で禁錮3年および50万香港ドルの罰金が科される可能性がある。
政府によると、香港立法会(議会)議員らに対して改正内容を24日に説明する。
改正では警察当局に対し、国家の安全を脅かす疑いのある容疑者に電子機器のパスワードや復元の方法の提供を求めることや、「合理的かつ必要な情報または協力」を提供するよう要求する権限を与えている。
香港を研究対象とする英国の法学専門家のウラニア・チウ氏は、改正内容は通信の秘密や、公正な裁判を受ける権利といった基本的自由を侵害するとして、「司法の承認を一切必要とせずに法執行官に広範な権限を与えたことは、法令が達成しようとしている正当な目的とは著しく釣り合わない」と問題点を指摘した。
併せて改正では、国家の安全を脅かす罪で誰かが逮捕されたかどうかにかかわらず、「扇動的な意図」があると見なした物品を押収する権限を、税関職員に与えることも定めた。
国安法は国家転覆や外国勢力との共謀などの行為に対して最高で終身刑を科すと定めている。欧米諸国の政府や人権団体から批判を招いたが、中国政府および香港当局は2019年に数カ月間続いた民主化を求めるデモで揺れた香港の安定化に必要だったと主張している。
香港の保安局によると、これまでに国安法違反で計386人が逮捕され、176人と4社が有罪判決を受けた。
香港の裁判所は今年2月、中国政府に批判的な論調で知られた香港紙・蘋果日報(リンゴ日報=廃刊)創業者で、国安法違反罪などで有罪判決を受けた黎智英(ジミー・ライ)氏に懲役20年の量刑を言い渡し、国際的な批判を招いた。





