オーストラリア、ヘイトクライム対策強化へ新たな法案
9月12日、オーストラリアの労働党政権は、ヘイトクライム(憎悪犯罪)に関する新たな法案を提出した。写真はアンソニー・アルバニージー首相。メルボルンで3月、代表撮影。資料写真(2024年 ロイター/JOEL CARRETT)
[シドニー 12日 ロイター] - オーストラリアの労働党政権は12日、ヘイトクライム(憎悪犯罪)に関する新たな法案を提出した。人種、性別、民族的背景、宗教、性的指向を理由とした犯罪行為に禁固刑を含む刑事罰を科す。
オーストラリアでは、パレスチナ自治区ガザでの紛争を受けて、ヘイトクライムが増えている。同国では昨年、ナチス式敬礼やテロ組織のシンボルを公共の場で掲示することを禁じた法案が可決された。
ドレイファス司法長官は声明で、「オーストラリアでは誰であっても、何者であるかや何を信じているかによって標的にされるべきではない」と指摘。「われわれは活気のある多文化的で多様なコミュニティーに誇りを持って暮らしており、それを守り強化しなければならない」と訴えた。
同法案はグループや個人に対して暴力をふるうと脅した場合や、脅しが実行される恐れがある場合に、5年以下の禁固刑を科す。脅しが政府に危険をもたらす場合には、7年以下の禁固刑が科される可能性がある。
また悪意を持って個人情報をネット上に公開する「ドクシング」に対処するため、別の法案を12日に提出するとした。違反者には6年以下の禁固刑が科される。