ニュース速報

ワールド

新興市場は債務危機リスク回避も中南米は他地域より高リスク=ムーディーズ

2023年01月26日(木)01時53分

[メキシコ市 25日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは25日、比較的小規模の新興市場が深刻なソブリン債務危機に直面するリスクはなくなった一方、通貨安や失業、高金利が引き続き経済成長の障害になっているとの見解を示した。

他方で中南米の新興国はコモディティー(商品)価格に左右されやすく、通貨の変動が不安定で、景気対策的な財政政策措置は少ないため他の新興地域より急激な景気悪化に陥る可能性があると指摘した。

ムーディーズは報告書で、ブラジルやインドネシアなどの商品輸出大国は、ロシアのウクライナ侵攻後のエネルギーや金属、農産物の価格高騰で大きな利益を得て「驚くほど良好だ」と言及。

メキシコやベトナムなどの商品への依存度がより低い国も、ロシアと西側諸国の地政学的緊張の高まりを背景に製造業の新規投資を獲得し、自動車や電子機器、半導体部品の輸出が拡大したため堅調だった。

こうした要因が、米連邦準備理事会(FRB)をはじめとする先進国の金融引き締めによる新興市場の通貨と株式市場への悪影響を限定的なものとした。

一方、中南米の新興国ではメキシコは2023年に1.0%の経済成長が見込まれているとしながらも、高インフレの継続とFRBの積極的な金融引き締めによって2.5%のマイナス成長になる可能性もあると予測。

ブラジルは23年に0.8%の経済成長を見込んだが、債務危機が起きれば3.2%のマイナス成長に陥る可能性もあるとした。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英国王とローマ教皇、バチカンで共に祈り 分離以来5

ワールド

EU首脳、ウクライナ財政支援で合意 ロシア資産の活

ビジネス

全国コアCPI、9月は+2.9%に加速 電気・ガス

ビジネス

米失業保険申請件数、先週は増加 給付受領も増加=エ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 4
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 9
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 10
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中