ニュース速報

ワールド

米知事選、「ブルーウォール」3州で民主党勝利 フロリダなど共和

2022年11月09日(水)18時37分

 11月8日、米中間選挙は、投開票が行われ、エジソン・リサーチによるとフロリダ州の知事選で共和党のロン・デサンティス氏(写真)が再選を確実にした。写真はフロリダ州タンパで撮影(2022年 ロイター/Marco Bello )

[8日 ロイター] - 8日に投開票された米知事選は、「ブルーウォール(青い壁)」として知られる伝統的に民主党が強いミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの各州で、民主党候補が勝利を手にした。

エジソン・リサーチの予測によると、ミシガン州は民主党現職のグレッチェン・ウィットマー氏、ウィスコンシン州も民主党のトニー・エバーズ知事が再選。ペンシルベニア州でも、民主党のジョシュ・シャピロ州司法長官が当選を確実にした。

3州の議会は共和党が多数派を占めるが、人工妊娠中絶の権利や公平な選挙といった問題で今後は民主党が影響力を強めることになる。

今回の中間選挙では36の州で知事選が行われ、中絶の権利や民主的な選挙などが争点となった。

知事ポスト獲得数は民主党が差し引きで2つリードしているが、接戦が伝えらえる西海岸の州ではまだ結果が判明していない。一方、エジソン・リサーチの予想によると、注目度の高いフロリダ州、ジョージア州、テキサス州では共和党現職らが当選確実となった。

ペンシルベニア州の知事選では、民主党のジョシュ・シャピロ州司法長官が、選挙不正に関する誤った主張を繰り返した共和党候補のダグ・マストリアーノ州上院議員を破った。

マストリアーノ氏は8日夜、支持者に対して、選挙結果を尊重すると明言。ただ、まだ集計されていない票が多数残っているとして、最終的な結果を待つ構えも示した。

ミシガン州は、民主党のグレッチェン・ウィットマー知事が、トランプ氏が推す共和党のチューダー・ディクソン候補に勝利。

ウィスコンシン州は、民主党のトニー・エバーズ知事が、共和党のティム・ミシェルズ候補に僅差で再選を決めた。

民主党はマサチューセッツ州でマウラ・ヒーリー州司法長官が勝利した。同州では初の女性知事で、同性愛を公表した知事も初めて。

メリーランド州は民主党のウェス・ムーア候補が当選を決め、初の黒人知事となる。

今回の知事選では、共和、民主ともに女性が躍進。女性知事の数は最大で12人となる可能性があり、過去最高の現在の9人から大幅に増える見通しだ。

ニューヨーク州は民主党現職のキャシー・ホークル氏が当確。

アーカンソー州では、トランプ前大統領の報道官を務めたサラ・ハッカビー・サンダース氏が同州初の女性知事となる。

激戦州として注目されていたジョージア州は、共和党のブライアン・ケンプ知事が18年の選挙で対戦した民主党のステーシー・エイブラムス氏に再び勝利した。

テキサス州でも共和党のグレッグ・アボット知事が民主党のベト・オルーク元下院議員を破って3期目の当選を確実にした。

フロリダ州では共和党現職のロン・デサンティス氏が再選。4年前の前回の知事選では0.5%ポイント以下の僅差で当選したが、今回は開票率98%の段階で民主党候補に20ポイント近い差をつけた。同氏は2024年大統領選の共和党候補指名を目指すとの見方が強い。

その他、ニューメキシコ州は民主党現職のミシェル・ルーハン・グリシャム氏が再選。中絶の権利擁護を軸に選挙戦を展開した。

メーン州は民主党で現職のジャネット・ミルズ氏が2期目の当選を確実にした。同氏も中絶の権利擁護派で知られる。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、追加利下げ前に数回の理事会で金利据え置く可

ビジネス

米消費者、1年先インフレ期待低下 5年先は上昇=N

ワールド

ロシア軍機がフィンランド領空侵犯の疑い、フィンラン

ワールド

フランス、極右躍進の影響見極めへ 解散総選挙の決定
MAGAZINE
特集:姿なき侵略者 中国
特集:姿なき侵略者 中国
2024年6月18日号(6/11発売)

アメリカの「裏庭」カリブ海のリゾート地やニューヨークで影響力工作を拡大する中国の深謀遠慮

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...? 史上最強の抗酸化物質を多く含むあの魚

  • 2

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっかり」でウクライナのドローン突撃を許し大爆発する映像

  • 3

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らかに ヒト以外で確認されたのは初めて

  • 4

    公園で子供を遊ばせていた母親が「危険すぎる瞬間」…

  • 5

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 6

    フランス人記者が見た日本の「離婚後共同親権」が危…

  • 7

    メディアで「大胆すぎる」ショットを披露した米大物…

  • 8

    良い大学を出て立派な職業に就いても「幸せとは限ら…

  • 9

    ロシア軍が「警戒を弱める」タイミングを狙い撃ち...…

  • 10

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が34歳の誕生日を愛娘と祝う...公式写真が話題に

  • 3

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車が、平原進むロシアの装甲車2台を「爆破」する決定的瞬間

  • 4

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 5

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 6

    「サルミアッキ」猫の秘密...遺伝子変異が生んだ新た…

  • 7

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品…

  • 8

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 10

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 10

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中