ニュース速報

ワールド

ロシア国債にデフォルトの恐れ、利払い猶予期間が26日失効

2022年06月27日(月)08時54分

 6月26日、ロシアのドル建てとユーロ建て国債計2本に対する1億ドルの利払い猶予期間が失効する。モスクワで2020年3月撮影(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)

[ロンドン 26日 ロイター] - ロシアのドル建てとユーロ建て国債計2本に対する1億ドルの利払い猶予期間が26日に失効する。債券保有者が支払いを受けた形跡はほとんどなく、数十年ぶりのデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。

ロシア財務省は連邦証券保管振替機関(NSD)にドルとユーロの資金を送金し、利払いの義務を果たしたと主張。しかし、海外の債券保有者の多くは資金を受け取れないとみられ、期日までに債権者の口座に入金されなければデフォルトに該当する。

背景にあるのはウクライナに侵攻を続けるロシアに対する欧米の経済制裁で、米財務省外国資産管理室(OFAC)は米国の個人や団体へのロシア国債の支払いを可能にする特例措置を講じてきたが、5月25日に失効。また、欧州連合(EU)は6月にNSDを制裁対象に指定した。

問題となっているロシア国債の目論見書には正確な期限が明記されていないため、弁護士によると、実際は翌営業日の27日夜に猶予期間が終了する可能性がある。

世界の大手金融機関でつくるクレジットデリバティブ決定委員会は今月初め、4月に期限を迎えたロシア国債の利息約190万ドルが猶予期間内に支払われなかったことについて、支払い不履行のクレジットイベント(信用事由)が発生したと認定した。

ただ、少額のため、ほかのロシア国債もデフォルトとみなされる「クロスデフォルト」には至らなかった。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

トランプ氏「ウクライナはモスクワ攻撃すべきでない」
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中