ニュース速報

ワールド

中国企業、ロシアの制裁回避支援なら代償 ウクライナ巡り米が警告

2022年02月04日(金)13時43分

 2月3日、米国務省のプライス報道官は、ロシアが中国と緊密な関係を築いてもウクライナ侵攻による代償を穴埋めすることはできず、ロシア経済は一段と脆弱になるとの考えを示した。写真は1日、米首都ワシントンで代表撮影(2022年 ロイター)

[ワシントン 3日 ロイター] - 米政府は3日、ロシアがウクライナに侵攻した場合に想定している対ロ輸出管理措置について、中国企業が回避を試みれば代償を払うことになると警告した。

米国務省のプライス報道官は定例記者会見で「中国を含む外国企業が米国の輸出管理措置の穴埋めや回避、抜け道探しを試みれば、われわれには多くの対応手段がある」と述べた。

西側諸国はロシアがウクライナに侵攻すれば制裁を科す構えで、米政府は金融制裁のほか輸出管理措置も発動する用意があるとしている。

ホワイトハウスの安全保障当局者、ピーター・ハレル氏は2日、米政府が日本や韓国などアジアの同盟国と輸出管理措置について協議していると明らかにした。

プライス報道官は、ロシアが中国と緊密な関係を築いてもウクライナ侵攻による代償を穴埋めすることはできないと指摘。

「ロシアが中国と緊密な関係を築くことで代償の影響を緩和できると考えていても、その通りにはならない。多くの意味でロシア経済は一段と脆弱になる」とし、「欧米から輸入する能力を否定すれば、生産力と革新的な可能性が著しく阻害される」と警告した。

ワシントンにある中国大使館の劉鵬宇報道官は、プライス氏の発言について「緊張を生み出すことはウクライナ危機の緩和に全く役に立たず、地域と全世界の不透明感を高めるだけだ。中国はこれに断固として反対する」と述べた。

中国外務省はこの日、王毅国務委員兼外相が訪中しているロシアのラブロフ外相と会談し、ウクライナ、アフガニスタン、朝鮮半島など、両国が懸念を共有する地域的な問題について対応を調整したと発表。ラブロフ氏はプーチン大統領と共に北京を訪問中で、プーチン氏は4日の北京冬季五輪の開会式に出席する前に中国の習近平国家主席と会談する。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P横ばい、インフレ指標や企業決算

ワールド

メリンダ・ゲイツ氏、慈善団体共同議長退任へ 名称「

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、今週の米経済指標に注目

ワールド

原油価格上昇、米中で需要改善の兆し
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 5

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    「人の臓器を揚げて食らう」人肉食受刑者らによる最…

  • 8

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 9

    自宅のリフォーム中、床下でショッキングな発見をし…

  • 10

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中