ニュース速報

ワールド

米韓が21日に初の首脳会談、北朝鮮問題前進に向け協議へ

2021年05月19日(水)08時21分

 韓国の文在寅大統領は5月21日、ワシントンでバイデン米大統領と初の首脳会談を行う。停滞が続く北朝鮮との対話を再び前進させる目的で、米政府のより積極的な関与を求めるとみられる。1月、ソウルで代表撮影(2021年 ロイター/Jeon Heon-Kyun)

[ソウル 18日 ロイター] - 韓国の文在寅大統領は21日、ワシントンでバイデン米大統領と初の首脳会談を行う。停滞が続く北朝鮮との対話を再び前進させる目的で、米政府のより積極的な関与を求めるとみられる。

バイデン政権は最近、北朝鮮政策の見直しを完了し、非核化という最終目標を維持しながら緊張緩和に向けて現実的な外交手段を行使していくと表明。ある韓国政府高官は、こうした方針は南北対話再開の地ならしにつながる「好材料だ」と歓迎した上で、ロイターに「対話再開に向けた真剣な試みがなされてもおかしくないと考えている」と語った。

ただバイデン政権は世界的な新型コロナウイルスの大流行に加え、国内の政治経済面での課題や他の外交的な懸案を抱えているだけに、北朝鮮政策を最優先に据える姿勢は見せていない。バイデン氏は朝鮮半島非核化を扱う特使も任命しておらず、北朝鮮の人権侵害には強硬な態度で臨むことも示唆している。

さらにバイデン政権がこれまで発した外交メッセージに北朝鮮は反発しており、同政権は北朝鮮への制裁も緩和しない意向だ。北朝鮮はまず制裁をやめるよう要求しており、これは文大統領が目指す南北経済交流の妨げにもなっている。

それでも、バイデン政権が北朝鮮政策を見直したことで先行きに期待が持てる、というのが韓国側の見解だ。大統領府高官の1人は18日、「米政府は外交的解決と二国間の対話を推進し、北朝鮮が有意義な対応をすれば譲歩する用意があるとしている。これは非常に現実的かつ柔軟性があるアプローチだ」と評価した。

文大統領にとっては、支持率低下理由の1つになっている新型コロナウイルスワクチン接種の遅れを挽回するため、首脳会談でワクチン供給に関して米国の協力も要請する見通しだ。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アルゼンチン予算案、財政均衡に重点 選挙控え社会保

ワールド

タイ新首相、通貨高問題で緊急対応必要と表明

ワールド

米政権、コロンビアやベネズエラを麻薬対策失敗国に指

ワールド

政治の不安定が成長下押し、仏中銀 来年以降の成長予
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中