ニュース速報

ワールド

ミャンマーの外資系企業、高級オフィスビルから相次ぎ立ち退く

2021年05月13日(木)09時20分

 5月12日、ミャンマーの最大都市・ヤンゴン中心部の高級オフィスビル「スーレ・スクエア」に入居する複数の外資系企業が、既に同ビルから立ち退いたか、入居契約を見直していることが、ロイターの取材で明らかになった。写真はヤンゴンで3月27日、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の旗を持つ男性(2021年 ロイター)

[12日 ロイター] - ミャンマーの最大都市・ヤンゴン中心部の高級オフィスビル「スーレ・スクエア」に入居する複数の外資系企業が、既に同ビルから立ち退いたか、入居契約を見直していることが、ロイターの取材で明らかになった。国連は同ビルがミャンマー国軍が所有する土地に建てられたとしている。

活動家団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー」は先月、同ビルの入居企業に間接的に国軍を支援するのをやめるよう呼び掛け、入居企業のうち18社のリストを公表した。

ロイターは、リストに挙げられた全ての企業に取材した。国軍による2月1日のクーデター以降、ミャンマーではデモが広がり、経済活動が崩壊している。国軍によるデモ弾圧で多数の死者も出ている。

2017年開業のスーレ・スクエアは香港に上場する高級ホテルチェーンのシャングリラ・アジアの現地法人が開発主体で、ビルと併設ホテルの管理も行っている。

国連の2019年の調査団によると、土地はミャンマー国軍から借り受けた。

シャングリラに土地の所有者を問い合わせたが、コメントを避けた。

国軍もコメント要請に回答しておらず、ロイターは借地契約を確認できていない。

同ビルにオフィスを構えていたコンサル大手・マッキンゼーの東南アジア部門の広報担当者は、今年序盤にオフィスの賃借契約を終了したと述べた。詳しい説明はなかった。

米飲料大手コカ・コーラは電子メールで、賃借契約は6月半ばまでだが、更新しないと表明。「ビジネス要件の変化」を理由に挙げた。

ロイターも同ビルのオフィスを利用していたが、ジャスティス・フォー・ミャンマーのリストには掲載されなかった。広報担当者は、現在は同オフィスを利用しておらず、入居契約を見直していると述べた。

シンガポールを拠点とするプライベートエクイティー(PE)会社、エマージング・マーケッツ・インベストメント・アドバイザーズは、賃借契約が3月に終了したため、立ち退いたと述べた。ノルウェーの肥料大手・ヤラは、代替オフィススペースを探し始めたと明らかにした。

同ビルから立ち退いたあるいは入居契約を見直していると明らかにした企業のうち、国軍の所有地であることを理由に挙げたのはヤラとノルウェーの通信会社・テレノールの2社だけだった。

世界銀行も同ビルにオフィスを持つ。世銀は「行内の方針や手続きに沿ってミャンマーの状況を精査している」とコメントした。

ジャスティス・フォー・ミャンマーのリストに名を連ねた企業の1つであるソニーは、ミャンマーのオフィスは現地の状況を踏まえて既に閉鎖しており、現在は代理店を通じてのみ製品を販売していると説明した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

スイス・スキーリゾートのバーで爆発、約40人死亡・

ワールド

台湾総統「26年は重要な年」、主権断固守り防衛力強

ワールド

再送トランプ氏、シカゴやLAなどから州兵撤退表明 

ビジネス

ビットコイン、2022年以来の年間下落 最高値更新
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 2
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 9
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 10
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中