ニュース速報

ワールド

米経済対策法案、最低賃金上げは盛り込めずと上院専門員が判断

2021年02月26日(金)13時01分

 バイデン米大統領が提案した時給15ドルへの最低賃金引き上げについて、上院の議事運営専門員(パーラメンタリアン)は、民主党が単独での可決を目指す新型コロナウイルス経済対策法案に盛り込むことはできないと判断した。議員らが25日、明らかにした。写真は1月に米首都ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 25日 ロイター] - バイデン米大統領が提案した時給15ドルへの最低賃金引き上げについて、上院の議事運営専門員(パーラメンタリアン)は、民主党が単独での可決を目指す新型コロナウイルス経済対策法案に盛り込むことはできないと判断した。議員らが25日、明らかにした。

バイデン大統領や多くの民主党議員は2025年までに最低賃金を時給15ドルに引き上げたい考えで、大統領が掲げる1兆9000億ドル規模の経済対策案に盛り込んだ。

民主党は上院で、単純過半数での法案可決を可能にする財政調整措置(リコンシリエーション)と呼ばれる手続きを活用し、共和党の賛成なしで経済対策を成立させることを目指している。

だが、この手続きを活用する場合には法案に盛り込む内容が規則によって制限され、上院の議事運営専門員であるエリザベス・マクドノー氏が判断する役割を担う。

ホワイトハウスのサキ報道官は声明で、バイデン大統領は法案に盛り込めないとの判断に「失望している」とコメント。大統領は「今後の最善の道筋を探るために議会指導部と取り組む。フルタイムで勤務しているのに貧困生活を送る人がこの国にいるべきではないからだ」とした。

上院民主党トップのシューマー院内総務は声明で「困窮の生活を送る数百万人の米国人労働者とその家族を助けるため、最低賃金の15ドルへの引き上げに向けた闘いを諦めない」と強調した。

一方、上院予算委員会の共和党トップ、グラム議員は議事運営専門員の判断に「非常に満足している」とツイッターで表明。「両党とも、財政調整措置を使って主要な法律の変更を単純過半数で可決することはできないということを補強する判断だ」とした。

ただ、経済対策法案に盛り込むことができなくても、財政調整措置を使わずに個別の法案で最低賃金引き上げを実現することは可能。

共和党のコットン、ロムニー両上院議員は23日に最低賃金の時給10ドルへの引き上げを提案。一方、民主党の全議員が15ドルへの引き上げを支持しているわけではなく、マンチン上院議員は2年間かけて11ドルに引き上げる案を示している。

連邦政府が定める最低賃金は現在、時給7.25ドル。最後に引き上げられたのは2009年だった。

ペロシ下院議長は議事運営専門員の判断が下された後に、下院で26日に経済対策法案を審議する際には最低賃金の15ドルへの引き上げが依然、盛り込まれることになると述べた。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ財務省、26年の成長率予想を2.0%に据え置き

ワールド

インドネシア大統領のおいが中銀副総裁に、議会が承認

ビジネス

基調インフレ指標、12月は3指標そろって2%下回る

ビジネス

英小売店頭価格、1月は前年比1.5%上昇 2年ぶり
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに...宇宙船で一体何が?
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 8
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    「20代は5.6万円のオートロック、今は木造3.95万円」…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中