ニュース速報

ワールド

米国の西半分でコロナ感染まん延、積極的な防止策を=対策本部

2020年10月30日(金)05時02分

米ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部は、全米の西半分で新型コロナウイルス感染が持続的かつ広範囲に広がっており、積極的な感染防止策が必要と訴えた。サウスダコタ州スーフォールズの検査所で28日撮影(2020年 ロイター/BING GUAN)

[ワシントン 29日 ロイター] - 米ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部は、全米の西半分で新型コロナウイルス感染が持続的かつ広範囲に広がっており、積極的な感染防止策が必要と訴えた。

国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、CNBCとのインタビューで「われわれがたどっている道筋は非常に困難で、間違った方向に向かっている」と警告。全米47州で感染者が増加しており、病院は患者であふれていると述べ、「状況がこれまでと変わらないようなら、新規感染者や入院患者、死者(の増加)で多大な苦痛に襲われることになる」と語った。

CNNが入手した週報によると、コロナウイルス対策本部は中・西部の州で積極的な感染防止対策が必要と警告。「中西部、中西部北部、西部で広範で容赦ない市中感染が継続している。無症状感染と有症状感染の双方を制御するために、積極的な抑制策が必要になる」とした。

その上で、冬季に向かい気温が低下する中、屋内で家族や友人と過ごす時間が長くなっていることが感染拡大の大きな要因となっていると指摘。各州に対しマスクの着用や、人と一定の距離を確保するソーシャル・ディスタンスのほか、人混みを避けるなどの措置を一段と強く奨励するよう呼び掛けた。

ロイターの集計によると、新型ウイルス感染症の入院患者数が28日、中西部と西部を中心に13州で過去最悪の水準に達した。

この日は、少なくともインディアナ州、オハイオ州、メーン州、ミネソタ州、イリノイ州、ノースダコタ州、ノースカロライナ州で1日の新規感染者数が過去最悪に達したほか、インディアナ州では入院患者数も過去最悪を更新。全国の入院患者数は4万5457人と、8月14日以来の高水準になった。

ユタ大学ヘルスプランのチーフ・メディカルオフィサー、ラッセル・ビニク氏は、ワクチンがまだ開発されていない中で冬季に感染拡大が続けば、病院に対する圧力が一段と高まると警告している。

感染が急拡大している地域は、来週に迫った大統領選の激戦州に重なる。新型ウイルス感染拡大への対応が政治問題化する中、メドウズ大統領首席補佐官はこの日のCBS「ディス・モーニング」で、近く治療薬とワクチンが開発されると強調した上で、「長期的なロックダウン(都市封鎖)と外出禁止がうまく行かないことは分かっている」と指摘。トランプ政権の対応策を擁護した。

米国では公衆衛生当局者が国民に対し感染拡大抑制策を強化するよう呼び掛けているが、現時点では全国的なロックダウン措置を求める声は出ていない。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 5
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 9
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中