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米副大統領、側近感染でも遊説 政権高官「コロナ制御せず」

2020年10月26日(月)09時16分

 11月3日の米大統領選まで9日を残す中、ペンス副大統領は25日、複数の補佐官の新型コロナウイルス感染が判明したにもかかわらず、選挙戦を続行した。メリーランド州ベルツビルで6月5日撮影(2020年 ロイター/Eric Thayer)

[マンチェスター(米ニューハンプシャー州)/ウィルミントン(米デラウェア州) 25日 ロイター] - 11月3日の米大統領選まで9日を残す中、ペンス副大統領は25日、複数の補佐官の新型コロナウイルス感染が判明したにもかかわらず、選挙戦を続行した。一方、民主党大統領候補のバイデン前副大統領は、トランプ大統領の側近がコロナを制御しないと発言したことを受け、政権はパンデミック(世界的大流行)に降伏していると糾弾を強めている。

ペンス氏の周辺では24日、マーク・ショート副大統領首席補佐官が新型コロナ検査で陽性と判明した。メドウズ大統領首席補佐官によると、ショート氏以外にもペンス氏の複数の側近の感染が確認された。ペンス氏の報道官は24日、副大統領夫妻が検査で陰性だったとしている。

側近の感染判明にもかかわらず、ペンス氏は25日夜にノースカロライナ州、26日にミネソタ州で演説を予定している。遊説続行について、メドウズ補佐官はショート氏の陽性が判明した後、ホワイトハウスの医師がペンス氏の遊説を許可したことを明らかにした。

メドウズ氏は、感染者と接触のあった人に14日間の隔離を求める米疾病対策センター(CDC)の指針にペンス氏が従っていない理由を問われると、不可欠な要員だからだと説明した。

また、トランプ陣営が選挙集会の参加者にマスク着用を義務付けていない理由については、陣営としてマスクを提供しているが、「われわれは自由な社会で暮らしている」と答えた。

<メドウズ発言を厳しく非難>

同補佐官はCNNの番組で、新型コロナの「パンデミックはコントロールしない。ワクチンや治療薬、その他の軽減策をコントロールする」と説明した。

この発言を受けてバイデン陣営は声明を発表し、「メドウズ氏は政権がパンデミックの制御を試みることすら断念したと認めた。国民を守るという基本的な責任を断念した」と非難した。

民主党副大統領候補のハリス上院議員は、ペンス氏の選挙戦続行を批判し「指針に従うべきだ」と述べた。ハリス氏は今月、自身の側近が検査で陽性と判明した際、選挙戦を4日間中断した。

米国では23日の新規感染者が約8万4000人となり、過去最多を更新。24日も約7万9900人の感染が確認された。

全米各地で感染者が急増しているにもかかわらず、トランプ大統領はニューハンプシャー州で開いた集会で「米国のように回復した国は他にない」と主張。「われわれは回復しつつある。角を曲がりつつある。ワクチンもあるし、何でもある。仮にワクチンがなくても角を曲がりつつある。(新型コロナ流行は)終わる」と述べた。

ロイター
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