ニュース速報

ワールド

EU、感染症に備える保険制度導入を=リスク管理団体

2020年05月27日(水)13時41分

 5月26日、欧州リスクマネジメント協議会(FERMA)は、欧州委員会に書簡を送り、感染症の世界的な流行や大規模なサイバー攻撃といった大災害に備える保険制度が欧州連合(EU)に必要だとの見解を示した。写真はブリュッセルで2月撮影(2020年 ロイター/Yves Herman)

[ロンドン 26日 ロイター] - 欧州リスクマネジメント協議会(FERMA)は26日、欧州委員会に書簡を送り、感染症の世界的な流行や大規模なサイバー攻撃といった大災害に備える保険制度が欧州連合(EU)に必要だとの見解を示した。

物的損害はないが、企業に打撃を与える大災害を保険対象とし、官民連携事業(PPP)の形で制度を整備することを提唱している。

保険会社によると、現在、企業の大半は感染症の流行に備えた保険に加入しておらず、新型コロナウイルスの感染拡大で、欧州の中小企業の資金繰りが悪化している。

FERMAのディルク・ウェゲナー会長は「EU、加盟国、保険業界との協議を深め、短期的な危機管理と長期的な企業の耐性の双方に対応する解決策を模索する方針だ」と表明した。

EUの欧州保険・年金監督局も、民間部門ではこうした幅広い領域を対象とする保険を提供できないため、各国政府が将来に備えた対応を進める必要があると主張している。

パリの裁判所は先週、フランスのレストラン経営者が起こした訴訟で、保険大手アクサに対し、新型コロナで生じた2カ月分の損失をこの経営者に補償するよう命じた。同社は26日、一部のレストラン経営者が請求している保険金の多くを支払う方針を示した。

英米の保険会社も、事業中断保険を巡り訴訟を起こされる可能性に直面しており、将来の感染症の流行に備えるPPPを提唱している。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独経済団体、半数が26年の人員削減を予想 経済危機

ワールド

中国軍、台湾周辺で実弾射撃伴う演習開始 港湾など封

ビジネス

韓国クーパン、顧客情報大量流出で11.8億ドルの補

ワールド

尹前大統領の妻、金品見返りに国政介入 韓国特別検が
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中