ニュース速報
ビジネス

EXCLUSIVE-日産、ネクスペリア問題で国内工場減産 九州は1週間で約900台=関係筋

2025年11月05日(水)12時25分

2025年5月23日、東京・横須賀の日産自動車追浜工場の建物。ロイター/Issei Kato

Maki Shiraki

[東京 5日 ロイター] - オランダに本社を置く中国資本の半導体メーカー、ネクスペリアの出荷停止問題の影響で、日産自動車が国内で減産することが分かった。九州の工場では計画比で約900台減らす。ホンダはすでに減産や生産停止を余儀なくされており、経済安全保障を巡る西側と中国の対立に端を発した同問題の影響が顕在化してきた。

事情を知る関係者によると、減産の対象は生産子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)で手がけるスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル」(輸出向け車名:ローグ)。ネクスペリア製の半導体を使用する部品群の供給が滞っているためで、まずは11月10日から1週間調整する。減産規模は900台程度になる見込み。17日以降については状況を精査している。

日産の広報は減産計画を認め、「11月10日週に追浜工場と日産自動車九州で数百台規模の小規模な生産調整を実施する」と回答した。「供給の安定後には迅速にリカバリーし、納車に与える影響を最小限に抑えるよう努める。詳細は決算発表の際に説明する」とした。

前出の関係者によると、SUV「パトロール」などを生産する日産車体の九州工場(同)については、今のところ影響はないという。日産車体の広報は「現時点で生産への影響は出ていない。今後については状況を注視している」とした。

日産は10月30日に2026年3月期の業績見通しを公表した際、下期に「供給面のリスク」(ジェレミー・パパン最高財務責任者)としてネクスペリアの問題などを挙げていた。

中国の電子機器大手・聞泰科技(ウィングテック)傘下のネクスペリアを巡っては、オランダ政府が9月末、技術流出など国家安全保障上の懸念があるとしてネクスペリアの経営権を掌握。中国政府が反発し、報復措置として中国工場からのネクスペリア製品の輸出を一時停止している。同社は製品の大部分を欧州で生産しているが、約7割を流通前に中国で最終製品化している。

日本自動車工業会を含む主要市場の業界団体は、自動車生産に影響が及ぶ可能性があるとして相次ぎ警告を表明。ホンダは10月下旬からメキシコ工場で生産を停止したほか、米国とカナダの工場で生産調整を始めた。

10月30日の米中首脳会談が無事に終わったことで、同問題も解決するとの期待が自動車業界に浮上していたが、中国政府は11月4日、オランダ政府が問題打開に非協力的だと非難し、逆に亀裂が深まっている。ネクスペリアは取引先に宛てた3日付の書簡で、中国工場からの出荷時期がまだ見通せないと通知した。ロイターが同書簡を確認した。

ネクスペリア製半導体は、自動車のバッテリーとモーターの接続、ライトやセンサー、ブレーキシステム、エアバッグ制御装置、エンターテインメントシステム、電動ウィンドウなどに使われている。

(白木真紀 取材協力:Jun P. Dolan、Daniel Leussink 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナの子ども帰還へロシアと連絡継続=メラニア

ワールド

米雇用機会均等委、ナイキを白人従業員差別の疑いで調

ワールド

トランプ氏、ワーナー巡る争いに「関与しない」 介入

ビジネス

ルネサス、1─3月期営業利益率改善を予想 25年1
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も
  • 4
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 8
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 9
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 10
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中