CBS報道部門トップが辞任、トランプ政権への対応で親会社と溝か

米CBSテレビの報道部門、CBSニュースのウェンディ・マクマホン最高経営責任者(CEO、写真)が5月19日辞任した。2023年10月、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
[19日 ロイター] - 米CBSテレビの報道部門、CBSニュースのウェンディ・マクマホン最高経営責任者(CEO)が19日辞任した。ロイターが確認したマクマホン氏のスタッフ宛てメモには、親会社パラマウント・グローバルと「同じ路線を歩けなくなったことがはっきりした。組織のためには新しい指導体制で前進する時が来た」と記されている。
スカイダンス・メディアとの合併に向けて連邦通信委員会(FCC)の承認を必要とする立場のパラマウントは今年4月、トランプ大統領がCBSに対して起こした訴訟について和解に向けた協議に入った。こうした動きが、マクマホン氏の辞任につながった可能性がある。
トランプ氏は昨年10月、CBSが看板番組「60ミニッツ」で大統領選の民主党候補だったハリス前副大統領に対するインタビューを放映した際、ハリス氏に有利となるよう編集したなどとして100億ドルの賠償を求める訴訟を提起。今年2月には請求額を200億ドルに引き上げていた。
先月には、長年にわたって60ミニッツの政策責任者を務めてきたビル・オーウェンス氏が、編集権の独立性への懸念から辞任。その直後、60ミニッツの記者が「パラマウントはわれわれのコンテンツを新たな方法で監督し始めた」と述べ、オーウェンス氏は誠実なジャーナリズムにとって不可欠な独立性を失ったと感じたと明かした。