ニュース速報
ビジネス

ECB総裁ら、緩やかな利下げに前向き 「トランプ関税」の影響警戒 

2025年01月22日(水)20時21分

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁ら理事会メンバーは22日、緩やかな利下げに前向きな姿勢を示した。写真はフランクフルトのECB本部。2024年7月撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)

[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁ら理事会メンバーは22日、緩やかな利下げに前向きな姿勢を示した。ただトランプ米政権の発足を受け、関税発動が欧州経済に及ぼす影響に警戒感を示した。

ECBは昨年4回利下げしたが、短期金融市場は今年さらに4回の利下げをほぼ完全に織り込んでいる。

ラガルド総裁は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催されているスイスのダボスで、金利について「方向性は非常に明確だ」と述べ、「今後のペースはデータ次第だが、現段階で想定されるのは穏やかな動きだ」とCNBCに語った。

大幅利下げの可能性に関しては、ECBが2%のインフレ目標を下回ることは想定していないとし、慎重な姿勢をにじませた。「われわれが注目する興味深い現象が起こるだろう。例えば注目は為替レートで何らかの結果をもたらす及ぼす可能性がある」と述べ、エネルギーを含む輸入品価格を押し上げる可能性があるユーロ安の影響を注視する必要があると指摘した。

クノット・オランダ中銀総裁は、「心強いデータ」を踏まえ、今月と3月の利下げへの支持を示唆した。

クノット氏はブルームバーグTVに「私は今後2回の会合に関する市場の予想にかなり満足している」と述べ、それ以降についてコメントするのは時期尚早とした。

「データは心強いもので、年内に目標水準に戻り、経済もようやく若干の回復が期待できるという大まかな見通しを裏付けている」と述べた。しかし「中・長期的に作用するリスク要因」にも言及し、「(トランプ氏の貿易)政策が非常に多くの経路で世界経済や世界のインフレ見通しに影響を及ぼす可能性がある」と指摘した。

ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁も、穏やかな動きを支持し、年内に中銀預金金利を2%へ向けて段階的に引き下げるとの見通しを示した。ただ、米国の大規模関税発動は経済成長へのリスクとなりECBが利下げペースを速める必要が生じる可能性もあるとギリシャ紙ナフテンポリキに語った。

エスクリバ・スペイン中銀総裁は、状況は予想通りだがECBはいかなる動きも事前に約束しないと述べた。ただその予想は今年の利下げを前提としており、エスクリバ氏も追加緩和に前向きであることを示唆する。

<中立金利>

一部ECB理事は政策金利が、景気を刺激も抑制もしない中立金利を下回る可能性を指摘している。

ラガルド総裁は、中立金利について、ECBが中立水準を正確に特定しようとしており、それは1.75─2.25%の間のどこかだと述べた。

クノット氏は、政策金利が中立金利を下回るという説に懐疑的で、「回復が進み、年半ばまでに目標に近づくとしても、刺激的なモードに踏み込む必要があるとはまだ思えない」と発言。「データがどこへ向かうべきかを教えてくれるだろう」と述べた。

ビルロワドガロー仏中銀総裁はダボス会議で、ECBはインフレ率を2%目標まで下げることを確信しており、3%の預金金利は急速に低下する可能性があるとした。

「(今年の)夏までに政策金利が2%前後になると予想するのは妥当なシナリオだ」とし、2%が自身が想定する中立金利だと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、自身のSNSに投稿された人種差別

ビジネス

アングル:インド「高級水」市場が急成長、富裕層にブ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 3
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 10
    「こんなのアリ?」飛行機のファーストクラスで「巨…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中