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米銀、第3四半期も商業用不動産ローンが重荷に

2023年10月19日(木)10時45分

 10月18日、米銀各行が発表した第3・四半期決算では、商業用不動産(CRE)向け融資の焦げ付きが引き続き重荷となっていることが示された。写真はニューヨークのオフィスビル。7月7日撮影(2023年 ロイター/Amr Alfiky)

Matt Tracy

[18日 ロイター] - 米銀各行が発表した第3・四半期決算では、商業用不動産(CRE)向け融資の焦げ付きが引き続き重荷となっていることが示された。

高金利に加え、在宅勤務が増えてオフィス用物件の空室が増えたため、CRE向け融資の借り手は厳しい状況に置かれている。借り手のデフォルト(債務不履行)が相次いで銀行に重圧がかかる可能性もある。

このため各行は前期に続き、第3・四半期もCREの不良債権のために多額の貸倒引当金や減損処理を強いられた。

フロリダ・アトランティック大学のレベル・コール財政学教授によると、銀行は不良債権化した不動産を売却するとより大きな減損処理を迫られるため、売却を避けようとしている。

モルガン・スタンレーは第3・四半期に貸倒引当金を1億3400万ドル計上した。1億6100万ドルを計上した前期同様、「CREセクターの環境が悪化している」ことを理由に上げた。

ゴールドマン・サックスは17日、今年に入ってオフィス関連CRE向け融資を約50%減らしたことを明らかにした。

バンク・オブ・アメリカは同日、返済期限を90日以上過ぎた不良債権が、前期の42億7000万ドルから第3・四半期には50億ドル近くに増えたと発表した。CRE向けが大半を占めているという。

不動産価格が下落する一方で利払い負担は増え、借り手は融資の借り換えに苦慮している。

規制当局もCREのリスクを注視している。JPモルガンとシティグループの調査では、大手行のCRE融資は比較的少ない一方、地銀は大手行よりも大きく、厳しい環境下にある。

JPモルガンが今年発表したデータでは、中小規模の銀行のCRE向け融資は大手行の4.4倍だった。シティグループの調査では、地銀もしくは中小銀行がCRE向け融資の70%を占めている。

ロイター
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